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元阪神でメジャーに3年挑戦していた藤浪晋太郎の横浜DeNA入りが正式発表された(写真はアスレチック時代・AP/アフロ)
元阪神でメジャーに3年挑戦していた藤浪晋太郎の横浜DeNA入りが正式発表された(写真はアスレチック時代・AP/アフロ)

「藤浪が米国でどう変わったか見たいが成功は難しい。ノーコンは治らない」3年間メジャー挑戦していた元阪神・藤浪晋太郎の横浜DeNA入りに球界大御所が激辛見解

 横浜DeNAが16日、元阪神で今季はマリナーズ傘下の3Aタコマでプレーしていた藤浪晋太郎(31)と契約を結んだことを発表した。背番号は「27」。先発、中継ぎ共に駒が足りず借金「2」で3位の横浜DeNAが巻き返しの切り札として獲得したもの。だが、巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)は、3年間の米国生活での変身に期待しつつも「成功は厳しい。ノーコンは治らない。巻き返しの切り札にはならないだろう」との辛口の見解を明かした。160キロの速球は魅力。果たして藤浪は3年ぶりのNPBでどんな姿を見せてくれるのか。

 今季はマリナーズ傘下3Aで防御率5点台

 藤浪の3年ぶりとなる日本復帰の舞台は甲子園ではなくハマスタだった。
 横浜DeNAは15日、藤浪と契約したことを発表した。借金「2」で首位の阪神に9.5ゲーム差をつけられる3位に苦しむ横浜DeNAは、トレバー・バウアーが5連敗するなど、東克樹、アンドレ・ジャクソン、アンソニー・ケイに次ぐ先発に苦しみ、12日にはストッパーの入江大生が「右上腕神経障害」のため登録を抹消されるなど、先発、中継ぎ陣共に駒が足りない状況。阪神時代に通算57勝の実績があり、先発、中継ぎ共に可能でまだ160キロのストレートを投げることのできる藤浪は、巻き返しを狙う横浜DeNAの補強ポイントに合致する右腕だった。
 藤浪は、2023年1月に阪神からポスティングで年俸325万ドル(当時レートで約4億3900万円)+ 出来高100万ドル(同約1億2800万円)の単年契約でアスレチックに移籍。当初は先発で起用されたが、4連敗して防御率が14.40にまで悪化したため、中継ぎに転向。ここで制球が安定して7月の防御率は2点台に下がったため、ポストシーズンで上を狙う首位のオリオールズにトレードされた。
 8月7日のメッツ戦では初のホールドをマーク。日本投手で最速となる102.6マイル(約165.1キロ)をマークしている。
 2024年はメッツと年俸335万ドル(当時レートで約5億300万円)+ 出来高85万ドル(同約1億3000万円)の単年契約を結んだが、再び制球に苦しみ、メジャー登板はなく今季はマリナーズとマイナー契約を結んだ。3Aタコマで21試合に登板し、2勝1敗、4ホールド、防御率5.79とふるわずメジャー昇格機会を得ることがないまま6月17日に自由契約となっていた。 ただスピードはトップクラスでスタミナもあって連投も可能。問題は制球力だけだが、阪神でルーキーから3年連続で2桁勝利をしたそのポテンシャルは魅力だ。
 データに精通している横浜DeNAは、藤浪の球質やメカニックを細かく分析した上で、3年ぶりのNPBで実力を発揮することは可能と判断したと見られる。
 本当に藤浪は横浜DeNAの巻き返しの切り札となれるのか。
 球界大御所の広岡氏は「3年間のアメリカでの経験でどう変わったかを見たい」としながらも厳しい見立てをこう明かした。
「アメリカはシビアだ。自由契約になった藤浪をどこも取らないということは改善の見込みがないということ。日本での成功は難しい。ノーコンはそう簡単には治らないよ。アメリカでは一時的に結果を出した。高めのボールをうまく使い、フォークで三振が取れていた。だが、日本のバッターは選球眼がよく、そういうボールに手を出してはくれない。どう考えても巻き返しの切り札にはならないだろう」

 

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