• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 阪神がドラフトで狙う“ポスト梅野”…報徳学園の“バズーカ砲”堀柊那をリストアップ
阪神はドラフトでセンバツ準Vの報徳学園で主将を務めた堀柊那捕手を狙う(写真・東京スポーツ/アフロ)
阪神はドラフトでセンバツ準Vの報徳学園で主将を務めた堀柊那捕手を狙う(写真・東京スポーツ/アフロ)

阪神がドラフトで狙う“ポスト梅野”…報徳学園の“バズーカ砲”堀柊那をリストアップ

 阪神が10月26日のドラフト会議で高校生捕手を指名する方針を固めていることが6日、明らかになった。候補の一人としてリストアップしているのが、報徳学園の堀柊那(ほり・しゅうな、18)。強肩、俊足、巧打の超高校級捕手だ。4、5年後を見据えて、32歳の梅野隆太郎、29歳の坂本誠志郎の後釜を育成しておきたいとの狙いがある。18年ぶりにアレを達成したチームの連覇への補強と共に長期的な編成を意識したドラフト戦略となる。

 梅野の故障離脱で浮き彫りになった不安点

 

 ドラフト戦略には、来季の即戦力を求める部分と、4、5年先を見据えた長期的部分の両面を加味したバランスが必要である。阪神の長期的補強のポイントはハッキリしている。“ポスト梅野”の育成だ。
 18年ぶりの“アレ”を達成する戦いの中で、その不安点が如実に浮き彫りになった。
 8月13日のヤクルト戦で、チームの要である捕手の梅野が5回に今野の死球を受け左尺骨骨折と診断され、今季の出場が絶望となるショッキングなアクシデントがあった。残り39試合を坂本で乗り切ったが、3番手の長坂拳弥(29、東北福祉大)、4番手の栄枝裕貴(25、立命大)との力量の差が明らかになり、もし坂本までなんらかのアクシデントで故障離脱するようなことになっていれば、大変な事態に陥るところだった。
 梅野が32歳で坂本が29歳。
 現在、阪神の捕手として、他には、2018年の育成ドラフト1位の片山雄哉(29、独立リーグ福井)、2019年5位の藤田健斗(21、中京学院大中京高)、2021年7位の中川勇斗(19、京都国際)の3人がいて、ファームで経験を積んでいるが、4、5年後を見据えての“ポスト梅野”の育成は急務だ。
 岡田監督には「捕手は高校生から時間をかけて育てたい」との考えがあり、フロントサイドも「高校生に好素材のいる年は逃さずに指名しておきたい」とここ数年、調査を進めてリストアップしてきた。
 そして今ドラフトには高校生の逸材が揃った。
 常葉大菊川の鈴木叶、U―18代表に選ばれた仙台育英の尾形樹人、浜松開誠館の新妻恭介らがいるが、阪神がターゲットとしてリストアップしたのが。おひざ元、報徳学園の堀だ。
 堀は高校生ナンバーワン捕手との呼び声が高い。身長1m79、79キロの体格があり、運動能力も高い。
 スカウトの度肝を抜いたのは準優勝した今春のセンバツだ。5点差から大逆転勝利で決勝進出を決めた準決勝の大阪桐蔭戦。同点で迎えた8回一死一塁から盗塁を仕掛けられたが、投手がマウンドにしゃがみこんで避けるほどの“バズーカ送球”で走者を刺したのである。送球タイムは1秒87。プロ並みの数字を叩きだし、甲子園のどよめきがしばらく収まらなかった。“超爆肩”“バズーカ砲”としてSNSのトレンド入りしたほど。捕手としての視野が広くインサイドワークにも長けている。
 強肩に加えて、足も速い。50mを6秒1で走り、一塁到達では3秒台までマークしている。
 そしてバッティングも魅力だ。ノーステップ打法で、タイミングの取り方がやわらかく広角に打てる。センバツでは5試合で打率4割をマークした。ツボにはまれば一発を放つ長打力もあり高校通算14本塁打。今夏は甲子園に出場できなかったが、兵庫県大会では4回戦の三田松聖戦でレフトへ場外ホームランをかっとばしている。県大会4試合での打率も.412あった。また2年秋から主将を務めリーダーシップもある。
 堀はすでにプロ志望届を提出しているが、3位以上の上位指名でなければ、確保は難しいとの情報もある。阪神は1位では即戦力の大学生投手を指名する方針を固めていて、今後は他球団の出方をうかがいながら、ドラフトの指名順についての戦略を練り上げることになる。

関連記事一覧