
「佐藤(輝明)がなんでこうも打てるのかわからん。こっちが勉強したいくらいだ」バンテリン騒然のサトテルの逆転28号3ランに93歳の球界大御所が思わず感心!
阪神の佐藤輝明(26)の衝撃の一振りで阪神が両リーグ最速の60勝に一番乗りして優勝マジックを「33」に減らした。佐藤は5日、バンテリンドームでの中日戦の2点を追う4回無死一、二塁で、防御率0点台の左腕、橋本侑樹(27)から起死回生の28号逆転3ラン。7回に自ら作った3者連続四球のピンチを無失点に切り抜けた新外国人のグラント・ハートウィグ(27)に来日初登板初勝利をプレゼントした。巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)は「佐藤がなんでこうも打てるのかわからん。こっちが勉強したいくらいだ」と感心。40本超えの可能性も示唆した。
「打ったのはフォーシーム」発言でSNSが沸騰
中日の井上監督の継投策が間違っていたわけではない。
2点を追う8回。マウンドには3番手の左腕の橋本があがった。ここまで11試合連続無失点で防御率は、0点台のセットアッパー。だが、先頭の中野がライト前ヒットで出塁し、森下が四球を選び、佐藤につなげた。
無死一、二塁。ホームランだけは避けたい場面で、中日バッテリーはアウトハイにストレートを2球集めてカウントが1-1となった。石伊はまたアウトコースにミットを構えたが、146球のストレートが逆球になり真ん中へ甘く入った。
佐藤はそれを見逃さない。
詰まったように見えた打球が、右中間の中段席にまで飛んでいく。バンテリンドームが騒然となった。一振りですべてを変えた起死回生の逆転の28号3ラン。佐藤はベンチで何度なく何やら吠えた。
ヒーローインタビューでは「(中野と森下が)塁に出てくれてたので、何とか打点をというところで最高の結果になってよかった」と答え、続けて「打ったボールの種類は?」と聞かれて、こう返した。
「フォーシームです。真っ直ぐです」
自然とフォーシームという言葉が出てきたことで、SNSでは、「今オフのメジャー挑戦を意識しているのでは?」の話題が沸騰した。
常にバレルゾーンやバットの角度などのデータをチェックしているから、自然と「フォーシーム」と口をついたのだろう。
スポーツ各紙の報道によると、井上監督は「『ホームランだけはあかんぞ』というところで完璧に打たれた。あそこだな。今日は」と嘆いたという。
中日のバッテリーは、この打席の佐藤が、最も危険だったことを知っていたのだろうか。
今季の佐藤は、第4打席が滅法強い。打席別の本塁打数を見ると、実は、1打席目が7本、2打席目が4本、3打席目が4本、4打席目が10本で最も多いのだ。配球の傾向を頭にインプットでき、しかも、4打席目では中継ぎに交代して先発より投手の質が落ちるケースもある。それらが影響しているのかもしれないが、佐藤は最後まで集中力を切らさない。またカウント別の本塁打数を見ると1-1のカウントからの本塁打が7本で最多となっている。
第4打席とカウント1-1。すべての条件が揃っているところへの失投だった。ある意味、必然の逆転28号3ランだったのかもしれない。
球界大御所の広岡氏は、自己最多の更新を続けて本塁打争いでトップに立ち、打点も70に乗せて2冠を独走するなど大ブレイクの佐藤をこう評した。
「なんでこうも打てているのかわからん。こっちが勉強したいくらいだ」
佐藤のここまで3打席は、大野の前に、まったくノー感じの連続の見送り三振にセカンドゴロだった。だが、突如として変貌するのが佐藤である。