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レッドブルの角田裕毅はシンガポールGPで12位に終わり入賞果たせず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブルの角田裕毅はシンガポールGPで12位に終わり入賞果たせず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「人生で最悪のスタートだった」12位“撃沈”角田裕毅が出遅れを猛反省も“ライバル”ハジャーにも敗れ海外メディアは「復活劇は長く続かなかった。フェルスタッペンに屈辱の周回遅れ」と酷評

 F1の今季第18戦、シンガポールGPの決勝が5日に市街地コースのマリーナベイ・ストリート・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が入賞圏外の12位に沈んだ。13番グリッドの角田はスタートで大きく出遅れる痛恨のミスで一時は19位まで後退。必死に追い上げ、終盤戦では来季のシートを争う姉妹チーム・レーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(21、フランス)と入賞圏内の10位を争うも最後に力尽きた。前戦アゼルバイジャンGPでの6位入賞で高めた評価を帳消しにする大失敗に、レース後には「人生で最悪のスタートだった」とうなだれた。

 課題のロングランは良かったが得意のショートランで伸びないチグハグ

 スタートから数十秒もしないうちに夢が潰えた。
 13番グリッドからスタートした角田がいきなりつまずいた。大きく出遅れた末に前走するマシンに前方をふさがれ、12番グリッドだったレーシングブルズのリアム・ローソン(23、ニュージーランド)のマシンとは接触まで起こすなど、スピードを上げられない間に後続のマシンにも次々と追い抜かれていった。
 1周もしない間に17位へと後退。オーバーテイクの難しさで知られるマリーナベイ・ストリート・サーキットで致命的なハンデを背負ってしまった。角田はF1公式サイトが伝えたレース後のフラッシュインタビューで真っ先に言こう及した。
「おそらく人生で最悪のスタートだった。スタートそのものは悪くなかったけど、その後に何が起こったのかが自分でもまだ理解できていない。ただ、スタートした直後に失う必要のないポジションを失ってしまった。あらゆるスペースを狙っても、誰かのマシンにランダムにコースをふさがれていて、本当に最悪の1周目になった」
 前日4日の公式予選では、タイヤのグリップ不足が最後まで解消されない状況に苦しみ、2回目(Q2)の最下位となる15番手で敗退した。しかし、ウィリアムズ勢がともに失格となった関係で決勝では13番グリッドに繰り上がった。
 幸運をさらなる追い風に変えるべく、決勝では大きな賭けに出た。
 他車のほとんどがミディアムタイヤでスタートする中で、グリップ力が高く、スピードが出るソフトタイヤを選択。1周目から前走車を追い抜いていく青写真を描いていたが、肝心のスタート直後に大失敗を犯してしまっては話にならない。
 ソフトタイヤは摩耗が早い。賭けに敗れた角田は14周目にピットイン。ハードタイヤに交換した間に17位から19位にまで後退した。しかし、グリップ力が少ない代わりに耐久性に優れたハードタイヤで一気にペースアップ。トップを独走するメルセデスのジョージ・ラッセル(27、英国)のラップを上回る周もあった。
 ロングランのペースアップはイコール、公式予選から決勝までの間にタイヤのグリップ不足がある程度解消されていた状態を意味する。だからこそ角田には悔いが残る。
「その後のロングランのペースが本当に良かっただけに悔しくてしょうがない。正直、あの1周目については何と言っていいのかがいまだによくわからない。繰り返しになるけど、自分にとって史上最悪のスタートだった」

 

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