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延長11回二死満塁でフィリーズのカーカリングが投手ゴロを弾き、本塁へ悪送球した(写真・AP/アフロ)
延長11回二死満塁でフィリーズのカーカリングが投手ゴロを弾き、本塁へ悪送球した(写真・AP/アフロ)

「史上最も馬鹿な采配」と批判されたロバーツ監督が“手のひら返し”の「尊敬されるリーダー」と評価急上昇…痛恨悪送球のフィリーズ右腕を「同情する」と思いやった談話が反響呼ぶ

 ドジャースが9日(日本時間10日)、本拠地でのフィリーズとのディビジョンシリーズ第4戦に延長11回に2-1でサヨナラ勝利して、2年連続17回目のリーグチャンピオンシップシリーズ進出を決めた。勝負を決めたのは、投手ゴロを弾いて焦ったオライオン・カーカリング(24)の本塁への痛恨の送球ミス。だが、試合後にデーブ・ロバーツ監督(53)が「彼は素晴らしい投手。同情する」と慰めの言葉を贈ったことが米メディア、X、インスタグラムなどで反響を呼び「尊敬されるリーダーだ」などと評価が急上昇した。采配ミスなどでバッシングを受けていた指揮官が意外なところで“手のひら返し”の称賛を得ることになった。

 「ロバーツ監督の思いやりは際立っていた」

 まさかの幕切れだった。
 フィリーズは、守護神のジョアン・デュランを7回途中から投入。だが、大谷翔平への申告敬遠が裏目に出て二死満塁からムーキー・ベッツに同点の押し出しの四球を与えた。。
 一方のドジャースも8回から佐々木朗希を投入した。佐々木は3イニングも回跨ぎしてパーフェクトピッチングでゲームは1-1のまま延長11回裏に突入した。
 ロブ・トムソン監督は、二死一、三塁のピンチで勝負強い右打者のキケ・ヘルナンデスを迎えると回跨ぎしていた第2戦先発の左腕ヘスス・ルサルドからカーカリングにスイッチした。
 カーカリングは四球を与え、二死満塁でシリーズでわずか1安打と大不振のアンディ・パヘスとの勝負となった。カーカリングはシンカーで詰まらせる。投手ゴロに打ち取ったかに見えた。だが、次の瞬間、カーカリングがそのボールを弾き、捕手のJ.T・リアルミュートは一塁送球を指示していたが、焦って本塁へ送球。それが大きく三塁側へそれて代走のキム・ヘソンがサヨナラホームを駆け抜けた。
 次打者の大谷はキム・ヘソンと抱き合って跳びはね、ドジャースナインは、グラウンド内に走り込み歓喜の雄叫びをあげた。
 カーカリングは、膝に手をやり下を向いた。トムソン監督に「顔を上げなさい」と声をかけられたがベンチに戻ると両手で顔を覆い動けなかった。

 地元メディア「フィリーズネイション」によると、ロッカールームに戻ったカーカリングは、「プレッシャーにやられたとは言わない。ただ(捕手の)J.T(リアルミュート)への送球の方が早いと思ったんだ。(一塁の)ブライス(ハーパー)に体をひねって投げるよりはね。…ただのクソみたいな送球だった」と自分を責め、「今は本当に最悪な気分だ。でも、前に進み続けてこの壁を乗り越えたい。とにかく進み続けるんだ」と、前を向いたという。
 TSC Newsが伝えた会見映像によると、3勝1敗でディビジョンシリーズ突破を決めたロバ―ツ監督は、このサヨナラ場面について記者からの質問を受けて、こう答えた。
「残酷だった。明らかに彼らは今夜素晴らしい守備を見せた。これはPFP(Pitchers’ Fielding Practice・投手の守備練習)の一つなんだ。彼は何千回もやってきたことだ。そしてあの瞬間、彼は打者に集中しすぎてアウトの数や状況をちょっと忘れてしまったんだと思う。カーかリングはスターだ。尊敬する素晴らしい選手。もちろん勝ったことはうれしい。でも彼は最高の1年を過ごした。誰もこんな苦しみを味わいたくない。そんな選手に対して同情するよ」

 

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