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阪神に1位指名されて会見に臨む創価大の立石正広
阪神に1位指名されて会見に臨む創価大の立石正広

阪神の藤川監督が引き当てた創価大の立石正広は「どこを守るんだ?問題」をバルセロナ五輪出場の母からの金言「上には上がいる。練習するしかない」を胸に乗り越える!

 プロ野球のドラフト会議が23日に行われ、アマチュアナンバーワンスラッガーの創価大の立石正広内野手(21、山口・高川学園卒)に広島、日本ハム、阪神と最多の3球団が1位指名で競合し、抽選で阪神が交渉権を獲得した。東京・八王子市内のキャンパスで記者会見に臨んだ立石は「打撃のタイトル争いに絡んでいける選手になれたら」と抱負を語り、1992年バルセロナ五輪のバレーボール女子日本代表だった母親の郁代さん(56、旧姓・苗村)からの「上には上がいる。そのときは練習するしかない」との金言を胸に秘めながらプロの世界に挑むことを誓った。

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 ぎこちなさが目立った表情にようやく笑みが浮かんだ。
 1位指名を公表していた広島に日本ハムと阪神が続き、今ドラフトで最多の3球団が競合した立石を巡る運命の抽選。2番目に引いた日本ハムの新庄剛志監督(53)が、そのクジを左胸に当てたまま直立不動になるパフォーマンスを始めたかと思えば、最後に引いた阪神の藤川球児監督(45)が白い封筒を足元に落としてしまう。
 場内が騒然となった直後。封筒を拾って、ひと呼吸置いて、藤川監督が右手を高々と掲げた。満面の笑みを浮かべた指揮官は「最高です。残りくじがありました」と声を弾ませ、今年のドラフトの目玉を引き当てた心境を明かした。
「ウチの3番、4番、5番のドラフト1位トリオに割って入る。しばらく先まで、タイガースの未来が明るくなりました」
 画面越しのメッセージを聞いてようやく表情をなごませた立石は、3球団の1位指名競合から阪神が交渉権を獲得するまでの間の心境の変化をこう明かした。
「くじ引きを待つ時間がすごく長く感じられてドキドキしていましたけど、本当に一瞬で決まっちゃったんだな、と。どの球団だったらうれしいとか嫌だとか、そういった思いはまったくなくて、やっとこの世界に入ったなという実感が湧きました」
 抽選を待っている間に、立石は3球団のユニフォームを着る自分を想像した。その中で高校3年の夏の甲子園で本塁打を放った甲子園球場を本拠地とする阪神で、縦縞のユニフォームでプレーする姿が最もしっくりきたと笑う。
「(縦縞は)大学ジャパン以来です。本当に単純ですけど、縦縞だと足が太く見えてちょっとカッコ良いというか、スタイルがよく見えるのでうれしいです」
 3年の昨年7月に、オランダで開催される国際大会ハーレムベースボールウィークの出場する大学日本代表に選出された。日本は優勝したが、台湾との準決勝、米国との決勝に立石の出番はなかった。打線の中軸は、今季千葉ロッテで活躍した青学大、西川史礁(22)、西武でレギュラーを獲得した大商大、渡部聖弥(23)、そして今ドラフトで西武に1位指名された明治大、小島大河(21)が担っていた。
「そこからは何をしても満足いかないというか、上には上がいることを嫌なほど見せつけられた中で、自分の意識が180度変わりました」
 母親の郁代さんから言われ続けてきた金言の意味が理解できた。
「母からはラインや電話で『上には上がいる。そういうときは練習するしかない』と口癖のように言われてきました。そのおかげで一瞬も満足した瞬間はありませんでした」

 

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