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アスレチックスの藤浪がDバックス戦での救援に失敗して5敗目を喫した(資料写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
アスレチックスの藤浪がDバックス戦での救援に失敗して5敗目を喫した(資料写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

もうアスレチックス藤浪晋太郎のメジャー挑戦は限界なのか…4試合目の中継ぎ登板も3四球で一死しか取れずに3失点降板

 アスレチックスの藤浪晋太郎(29)が5日(日本時間6日)、カンザスシティで行われたロイヤルズ戦に4点リードの7回から中継ぎ登板して打者4人に3四球を与えてワンナウトしか取れずに”自滅炎上”し満塁で降板した。代わったオースティン・プルイットが藤浪が残した走者を全員生還させてしまい藤浪に3失点がつき、防御率は13.50まで悪化した。チームは勝利したが、藤浪への風当たりがますます強くなってきた。

 19球を投じてストライクは4球だけ

 

ストライクが入らない。また藤浪の悪いクセが出た。
 9-5の4点リードで迎えた7回。3番手としてマウンドに上がった藤浪は、先頭のエドワード・オリバレスに四球を与え、続くビニー・パスクァンティーノには、全球ストレートを投じたが、ストライクがひとつも入らない。無死一、二塁からサルバドール・ペレスは153キロのストレートで押し込み、ショートフライに打ち取ったものの5番のニック・プラットにまたストレートの四球を与えて1死満塁となったところで降板を告げられた。19球を投じてストライクは、わずか4球だけ。惜しいボールもなかった。
 バトンを受けたプルイットが、マット・ダフィーに右犠飛を打たれ、ハンター・ドジャーに左中間を破る2点タイムリースリーベースを許して、藤浪が残した走者が全員生還したため3失点が藤浪についた。
 先発で4連敗したことから中継ぎへの配置転換を命じられ、4月26日のエンゼルス戦では、2回を投げて大谷翔平に左前打されるなど、2安打1四球1失点(自責0)、2日後のレッズ戦では、イニングをまたいで1回0/3を投げて2安打3四球2失点とまたしても乱れた。
 3度目の登板となった前回登板の2日のマリナーズ戦では、1回を2連続三振を含む三者凡退に斬って取る好投を見せて、メジャーでも通用する潜在能力を示したが、また悪いクセが顔を出した。なぜ藤浪は、阪神時代に一時は好転を見せていたはずの制球難に苦しんでいるのか。悪く言えば、なぜメジャーに行っても何も変わらないのか。
 阪神OBで、現役時代に先発も抑えも経験している評論家の池田親興氏は、こう分析している。
「メジャーにいけば藤浪が変わるという意見もあったそうだがメンタルとメカニックが劇的に変わらねば、それは単なる幻想だ。阪神時代からそうだったが、手足の長い藤浪は、どうしてもテイクバックが大きく、リリースまでの体の“振り幅”が大きくなるので、一度崩れると、なかなかメカニックの狂いを修正できない。悪い時はラインからテイクバックした際の腕の位置が外れる。下半身も含めて関節への負担が多い投球フォームをしているので、パワーは出るが、安定感を作ることが難しい。ひっかける、抜けるの修正作業に加え、”またボールになればどうしよう?”というメンタルが重なり、自分で自分をコントロールできなくなってしまう」
 またここまで8試合中、4試合はビジターのマウンド。
「メジャーでの慣れないマウンドで、その環境に適応する作業も追加され、なおさら修正が難しいのではないか。中継ぎでは、さらに、その時間もないので、マウンドに上がってみなければわからないという不安の中で投げていると思う。ボールが先行してストライクを取りにいくと、さすがにそのボールは、メジャー相手では簡単に打たれてしまう。自分との戦いに加えて、立ち直りが難しい理由は、日米の打者のレベル差もある。ただ十分に通用するボールもあるので、もったいない」
 池田氏は、そう指摘した。

 

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