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山本由伸がワールドシリーズ第2戦で1失点完投勝利(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
山本由伸がワールドシリーズ第2戦で1失点完投勝利(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

「野球が本来の姿に戻るサイン」カーショーが山本由伸の連続完投勝利の意義を熱弁…フリーマンは「もう形容詞が見つからない」

 ドジャースが25日(日本時間26日)、トロントでのブルージェイズとのワールドシリーズ第2戦に5-2で勝利、先発の山本由伸(27)が9回、105球を投げ4安打1失点、8奪三振で完投勝利を挙げた。山本は14日(同15日)のブリュワーズとのリーグ優勝決定戦シリーズ第2戦でも9回3安打1失点のメジャー初完投勝利を飾っており、ポストシーズンでの2試合連続完投は2001年のダイヤモンドバックスのカート・シリング以来、24年ぶりの快挙。対戦成績を1勝1敗にした立役者にフレディ・フリーマン(36)や今季限りで引退の“レジェンド”クレイトン・カーショ(37)らチームメイトから絶賛の言葉が相次いだ。

 マンシー「彼は何があっても動じない」

 4万4000人を超えるブルージェイズファンで埋まった敵地のロジャースセンターを静まり返らせた。山本は3回に犠飛で1点こそ失うが、その回のドルトン・バーショから打者19人をパーフェクト。4点のリードを守り、最後の打者、バーショをサードフライに打ち取ると、1回の先制タイムリーに続き、7回に勝ち越しアーチを放って援護した女房役のウィル・スミスとガッチリと握手して抱き合った。
 米サイト「ドジャーブルー」が伝えた試合後の会見で、山本は「立ち上がりは、球数がたくさんいっただけに最後までいけるとは思わなかった」「初戦を落としただけに今日は絶対勝たないといけないなと凄く気持ちが入った」と、試合を振り返った。
 ワールドシリーズでの完投勝利は、ドジャースでは、1988年に“レジェンド”オレル・ハーシュハイザーが成し遂げて以来37年ぶり。チームメイトからは絶賛の言葉が相次いだ。
 7回に一発で援護したマックス・マンシーは、立ち上がりに招いた無死一、三塁の大ピンチで、ブルージェイズの主砲であるウラジミール・ゲレーロJr.から三振を奪うなど、クリーンナップを3人でピシャリと抑えて得点を許さなかった場面をこう称えた。
「本当に信じられないほど凄かった。前回は初回にホームランを打たれ、今回も初回に20〜25球(正確には23球)を投げたが、球数をうまく抑えて完投した。本当に見事だ。彼は何があっても動じない。彼は自分が何をしたいかを明確に理解していて、その通りに投げる。常に『次の1球をどう投げるか』『どう打者を攻略するか』だけを考えている。見ていて本当に楽しい投手だ」(ザ・ドジャース・ブリードロスの映像より)
 リードした捕手のスミスも山本をこう語った。
「本当に特別だった。彼はすべての球種を完璧に使いこなしていたし、コントロールも抜群だった。スピードをうまく変えて相手を完全に翻弄していた。チームとして誰かが素晴らしい先発をしてくれる必要があった中でヨシが今日その役割を果たしてくれた」(同映像より)
 初回に先制の足がかりとなる二塁打を放ったフリーマンは約4分間にわたって山本の完投勝利について熱く語った。
「昨日の試合を見てもわかるように相手打線は本当に強力だ。なのに信じられない。もうヨシについては、もうこれ以上どんな形容詞も最上級の表現を使えばいいのかもわからない。それほど凄い投手。敵地、それもワールドシリーズの舞台で、あれだけの投球をするなんて、本当に驚異的だ」(ザ・スポーティング・トリュビューンの映像より)
 山本がシーズンの終盤から、ポストシーズンに調子を上げてきた理由は「慣れ」と見ている。
「新しい国に来て、何もかもが新しく、ルーティンも違うし、休養日も違うし、すべてが違う。なのに昨年からあれだけのことをやったのは本当に凄いこと。今はより慣れてきて自分が何をすべきかを理解している。マウンド上で試合を完全にコントロールしている。テンポも落ち着いていて、必要な時は一呼吸置いてから投げる。ただただ見事だ」

 

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