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天心は計量後にポーズをとる(写真・山口裕朗)
天心は計量後にポーズをとる(写真・山口裕朗)

「拓真選手のパンチは当たらない。倒しにいくから大勝負に強い」那須川天心“パパ”が井上拓真との世界戦KO決着を予言…WBC特別贈呈の「サムライベルト」を「僕のためのベルト」と豪語

 プロボクシングのWBC世界バンタム級王座決定戦の前日計量が23日、東京ドームホテルで行われ、同級1位の那須川天心(27、帝拳)と、元WBA世界同級王者で、同級2位の井上拓真(29、大橋)が揃ってリミットより100グラムアンダーの53.4キロで一発でパスした。新王者には特別デザインの「サムライベルト」が贈呈されることがWBCの会長から発表されたが、プロ8戦目で初の世界王座挑戦となる天心は「僕のためのベルト」と豪語した。天心は、キック時代から大舞台に強いことで知られるが、幼い頃から指導してきた父で現在「TEPPEN キックボクシング&フィットネスGYM」会長の弘幸氏(55)は、その理由を「倒しにいくから」と明かし「今回も倒しますよ」と予言した。

 

天心の父の弘幸氏

拓真の肉体の仕上がりにも 「ボディビルをやるわけじゃない」と反発

 パンツは脱がなかった。
「さすがにポロリは見たくないと思うので、しっかりと守るものは守った」
 天心には計量はリミットピタリで決める美学があるが、前戦のビクトル・サンティリャン戦では事前計量後に水分を補給して合わせる最終調整に失敗。タオルで隠してパンツを脱いでクリアする失態を演じてしまっていた。今回は万全を期して100グラムアンダー。
 しかも、前日に“水抜き”を行わずにクリアした。調整の順調さに加え、リカバリーに際に肉体へのダメージも少なくなる。
 約27秒のフェイスオフでは主導権を握った。自分から解き「しっかり仕上げてきたんで」と言葉をかけて、握手を求め、腰を90度に曲げて深々と頭を下げた。一方の拓真は「返すのはダサくないですか?」と返答はせず、握手とお辞儀で返した。
「返答を求めたわけではない。ただ伝えただけ」
 その対応に無関心を装った天心は、「いい表情をしていました。あとは明日やるだけ。いつもと変わらず、やるぞってそれだけです」と決意を口にした。
 拓真の肉体はSNSで「バキバキだ」と賛美されるほど立派に仕上がっていた。
 肉体勝負では天心が見劣りしたが、「あまり気にはならなかった。ボディビルをやるわけじゃない。体で勝負するわけじゃないんで」と反発した。
 ドジャースの山本由伸のワールドシリーズでの中0日登板を可能にした柔道整復師でトレーナーの矢田修氏の指導を2年半にわたって受けてきた。矢田氏の指導はウエイトトレーニングを行わない。だから、見た目では「バキバキ」にならないが、質にこだわり、実戦で最大の効力を発揮する良質の肉体を作り上げることができる。
 髪の毛は金色に染めた。漫画「ドラゴンボール」のスーパーサイヤ人や「NARUTO」の仙人モードの話をしたのは、よくわからなかったが「優勝、王冠、チャンピオンのイメージ」との説明だけは理解できた。
 その計量を見守っていたのが天心パパこと弘幸氏だ。
「過去最高に仕上がりじゃないですか」
 その姿に満足そうだった。
 弘幸氏は「ボクシングに転向して以来、すべてを本田会長、粟生さんに任せているので、私が口を出すべきことじゃない」とした上で「拓真選手のパンチは当たらないと思います。判定決着という声が多いですが、僕は倒してしまうと思っています。進化をし続けていますし、大舞台でより大きな力が発揮するんで」とKO決着を予言した。
 弘幸氏は、天心を幼い頃からマンツーマンで指導してきた。自らはプロ経験はないが、トレーナーとして勉強と研究を重ね、天心以外にも強豪キックボクサーを次から次へと輩出している。
 キック時代に無敗を誇った天心は大きな舞台になればなるほど強かった。RISEでの初のタイトルマッチとなった2015年の村越優汰戦に2回KO勝利。RIZIN初登場となった2017年のワンナイトトーナメントでも優勝し、決勝では、元ボクシングのアマ5冠でもある藤田大和を秒殺した。2018年には、この日、9年ぶり復帰のUFCで圧巻の1本勝ちをした元RIZIN2階級制覇王者の堀口恭司とのキックルールでのスペシャルマッチに判定勝利、そしてキック引退の試合となった2022年の東京ドーム「THE MATCH」での武尊戦では、1回にダウンを奪い、文句のない内容で判定勝利している。

 

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