• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • なぜ井岡一翔は堤vsドネアの勝者ではなく井上拓真への挑戦を口にしたのか…13度目の大晦日にWBA世界バンタム級挑戦者決定戦…天心敗因をズバリ分析の“IQ”が弾き出した勝算
井岡一翔の13度目大晦日はバンタム転級初戦でWBA世界王座挑戦者決定戦
井岡一翔の13度目大晦日はバンタム転級初戦でWBA世界王座挑戦者決定戦

なぜ井岡一翔は堤vsドネアの勝者ではなく井上拓真への挑戦を口にしたのか…13度目の大晦日にWBA世界バンタム級挑戦者決定戦…天心敗因をズバリ分析の“IQ”が弾き出した勝算

 元4階級制覇王者の井岡一翔(36、志成)が大晦日に大田区総合体育館でマイケル・オルドスゴイティ(24、ベネズエラ)とWBA世界バンタム級挑戦者決定戦を行うことが28日、発表された。日本人初の5階級制覇へ向けての転級初戦。気になるその先のターゲットについて井岡は、「正直、誰と一番やりたいかと言えば(井上)拓真選手」と、那須川天心(27。帝拳)とのWBC世界同級王座決定戦に勝ち王座返り咲きを果たした井上拓真(29、大橋)の名前をあげた。今回の試合から配信がABEMAから、大橋ジムが提携しているLeminoに鞍替えすることも発表され、勝てば「井岡vs拓真」のビッグマッチが実現する可能性が高まってきた。

 「評価的に一番高く、ファンが一番見たい」

「え?」筆者は思わず声をあげた。
「堤、ドネア、拓真。誰と戦いたいか?」のストレートな質問に井岡がハッキリとこう回答したのだ。
「率直に正直、誰と一番やりたいかと言えば、拓真選手ですね」
 心中を明かしたのには驚いた。
――どういう理由で?
「評価的にも一番高いんじゃないですか。今回の試合も含めて。盛り上がりを考えても一番拓真選手が、ファンの方も見たいんじゃないかなと。誰とでも、全然、僕は戦いたいですけど、強いて言うなら拓真選手とその3人の中ではやりたいですね」
 井岡は、5月にWBA世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)とのダイレクトリマッチに敗れた際に「引退する気持ちはない」と、すぐさま現役続行の意思を示した。ファンへの説明責任を果たすべきとの使命感に加え、自らの生き様を表現することへレジェンドとしての自負があるのだろう。聞いていて気持ちがいい。プロのトップアスリートはこうあるべきとの手本だ。
 天心を3-0判定で破った拓真への評価は高まった。会場では約8割が拓真コール、人気も急上昇している。加えて拓真の一夜明け会見で大橋秀行会長は次期対戦相手の選択肢の一人に井岡の名をあげた。
 2012年6月には当時WBC世界ミニマム級王者だった井岡とWBA世界同級王者だった八重樫東が統一戦を戦い、僅差の0-3判定で八重樫が敗れたという因縁がある。八重樫は現在大橋ジムのトレーナーだ。
 井上尚弥が果たす前に、井岡が日本人初の5階級制覇を成し遂げることを食い止めたいとの思いもあり、大橋会長は「5階級制覇を阻止したい」とも発言した。拓真も「モチベーションとしてはむちゃくちゃ上がる。盛り上がるカードをやっていきたい」と大歓迎していた。
 井岡は天心vs拓真戦を鋭い視点でこう分析した。
「両者共に凄くいいパフォーマンスだったと思う。特に序盤は那須川選手が凄くいい戦い方をして 4ラウンドまで結果イーブンだったがいい流れを作っていたなと見ていた」
 1、2ラウンドは天心はサウスポーの利点を生かして距離を取り、1ラウンドに左のオーバーフック、2ラウンドに右フックで拓真の膝をぐらつかせポイントを取った。
 だが、3ラウンドから拓真はガラっとスタイルを変えて前へ出た。しかもただ前に出て距離を詰めるのではなく、テンポをアップさせ、フェイント、ステップを使い、細かい駆け引きをしながら前へ出たことで天心が戸惑い対応できなくなった。
「拓真選手が、経験だったり、状況判断能力、あとセコンドの指示だと思うが、ボクシングの展開を変えて4ラウンドから8ラウンドに距離を縮めて展開を変えにいった。その展開が見ているジャッジだったり、オーディエンスへの見栄えが悪く、那須川選手がうまく対応できなかった。オープニングスコアなんで(負けている採点が)出て、戦い方は必ず焦る。 4ラウンドの時点でもドロー。(採点は)難しかったが、那須川選手が若干リードしていてもおかしくなかったかなともテレビでは見えたが、イーブンで拓真選手陣営としてはやりやすい展開となり、4ラウンドから8ラウンドに展開を変えて那須川選手がついていけなくて、8ラウンドでは、もうだいぶポイントが開いていくしかないという展開になった。そうなると拓真選手によけい余裕が出る。ボクシングの幅に深みが出て、結果、ああいう試合になったのかなと」

 

関連記事一覧