サウジ競演の中谷潤人が「(井上尚弥と)比較されることは自覚している。それもボクシングの醍醐味」と自負…リング誌で「尚弥、バム、拓真の誰と戦いたい?」に「全員」と回答の真意も説明
プロボクシングの「The Ring V: Night of the Samurai」(27日)のグランドアライバルが現地サウジアラビア・リアドのグローバルシアターで行われ、セミファイナルでスーパーバンタム級のテストマッチを戦う中谷潤人(27、M.T)が来年5月に対戦予定の井上尚弥(32、大橋)との比較論を「比較されるのは自覚している。それもボクシングの醍醐味」と受け止めた。今回の対戦相手は井上のスパーリングパートナーを務めていたWBC同級10位のセバスチャン・ヘルナンデス(24、メキシコ)だからなおさらだろう。
民族衣装用意も拳四朗に先を越されて…
中谷が苦笑いを浮かべていた。
IBF世界スーパーフライ級王座に挑戦する寺地拳四朗(BMB)が正装である民族衣装を身に着けて登場するサプライズでメディアの大喝采を受けたが、実は、中谷もすでに現地で調達して2日後の公式会見で民族衣装で登場する準備をしていたのだ。
「僕も買って準備をしていた。先を越されちゃいました(笑)」
公式会見で身に着けるつもりだったが拳四朗に先を越された。
「(2日後の)公式会見で着るか着ないかは気分次第で(笑)」
中谷が現地に入って驚いたのは「思ったより寒かった」という気候と、街中でも砂埃で汚れている車が多かったことだ。中谷は、その環境に敏感に反応した。
「しっかりと体調を管理している。外は砂が舞っているので(ロードワークなども)室内だけで終わらせる工夫している」
室内のランニングマシンを使い外でのロードワークは封印している。万全の準備だ。
スーパーバンタム級に転級することで減量苦からも解放され、「減量はめっちゃ順調でいい感じで落とせている」という。
来年5月に東京ドームで対戦予定の井上尚弥との競演がサウジで実現した。しかも、相手は、井上のスパー相手を務めたこともあるガルシア。当然、ファンは比較論に走る。
井上もサウジに渡る前の公開練習でこう言って、サウジ初上陸となる「The Ring V: Night of the Samurai」を盛り上げた。
「ファンの方は来年5月の試合をイメージ、空想して見ると思うので、その試合の内容で、どっちが強いか、どっちかが勝つか、そういった楽しみもあると思う。そういう見方もしてもらえたらすごく盛り上がる日になる」
中谷にそのファンの見方をぶつけた。
中谷は舞台上で「プレッシャーはない」と言い、こう語った。
「比較されるのは自覚している。そのあたりがボクシングの醍醐味であり、面白いところなんで。さらに期待を膨らまさせるようなファイトをしたい」
堂々と受けて立った。
――内容と結果で井上―ピカソ戦を上回る?
「結果的にそうなればいい。今やるべきことは、対戦相手のセバスチャン・ヘルナンデスに対応すること。そこを意識してできれば」
対戦相手のレベルもタイプも違うが、中谷はそのインパクトでメインのモンスターを食ってやるぞーーの勢いと自信を持っている。
一方のガルシアは、メキシコでの試合を想定してトレーニングに入っている間に、今回のオファーがあり驚いたという。
「いい試合をする。勝って帰国して家族との人生を満喫したい」

