荒れる?!有馬記念を騒がせた“疑惑の登録馬問題”で1番人気のレガレイラに包囲網?!その影響は?
中央競馬の総決算レース「第70回有馬記念」(3歳上、GI、芝2500m、1着賞金5億円)は今日28日、千葉の中山競馬場で行われる。牝馬初の連覇を目指すレガレイラ(牝4、木村哲也厩舎)が”逆風”を乗り越え、ファン投票1位で前売りで単勝1番人気に応えるのか。それとも強い3歳世代の代表ミュージアムマイルや深い絆で結ばれたメイショウタバルなどが一泡吹かせるのか。有力馬が好枠を引き波乱の要素は薄まったものの、登録段階での騒動もあり、四海穏やかとは言い切れない。
ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」効果が
こんなことがあっていいのか。
高視聴率をマークしたTBS系ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」効果もあって、例年以上に盛り上がるグランプリ有馬記念。いよいよゲートインという段階で蒸し返したくはないが、あってはならない愚行に触れないわけにはいかない。
ファンの夢を乗せ、投票を基軸に出走馬を決めるのが有馬記念の本懐。世界に誇れるシステムだが、ルールの盲点をつくような行為があった。
ファン投票終了後にトップトレーナーの1人でレガレイラも管理する木村調教師が明らかに出走態勢の整っていないヘデントールを出走登録。有馬記念は出走の意思のあるファン投票上位10頭に優先出走権が与えられるが、これによりエリザベス女王杯3着と善戦しその健気な走りでファンに愛されているライラックが投票下位のためにはじかれ、賞金面も不足していたため、出走がかなわなくなった。逆にアシストを受ける形になったのが、ヘデントールと同じ木村厩舎に所属するスティンガーグラスだった。
ヘデントールの登録がなければ、賞金順で除外対象となっていたが、滑り込みで出走可能となったが、様々な玉突き事案が発生。ようやく出走馬が確定したが、あらぬ疑いをかけられたスティンガーグラスの馬主エムズレーシングは出馬投票せず回避することをSNSで発表し、木村厩舎から栗東の友道康夫厩舎に転厩することも明かした。
勝負の世界だから駆け引きはあって当然だが、人の道に反するような理解不能な行動にトレセン内で多くの怒りの声が上がった。
「なんで出走意思のない馬を特別登録したのか。真相を明らかにしないといけない」「いまのメディアは腰抜けばかりなのか」「私だったら黙っていないよ。嫌がらせをされて、ユースケがかわいそう」
特にライラックの鞍上には来春に調教師への転身が決まっている藤岡佑介騎手が予定され、これが最後の有馬記念騎乗となることから同情の声が広がる要因にもなった。
もちろん馬に罪はない。今後はルールの見直しも必要だろうが、ひとまず枠も決まり、レースイメージが沸いてきた人も多いだろう。今回の件で、レガレイラに対する包囲網は厳しくなるかもしれない。ただ、有馬記念に出走する16頭には全力を出し切ってほしいと切に願う。
本命は5枠9番のダノンデサイルだ。海外帰り初戦となった前走のジャパンCは3着。世界最強馬のガランダカンや天皇賞・秋を制したマスカレードボールには遅れをとったものの、後輩の日本ダービー馬クロワデュノールには先着した。

