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アメリカ、カナダ、メキシコで共同開催される2026年のW杯からアジア大陸枠が「4.5」から「8.5」に拡大(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
アメリカ、カナダ、メキシコで共同開催される2026年のW杯からアジア大陸枠が「4.5」から「8.5」に拡大(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

なぜ2026年W杯でアジア大陸出場枠が「4.5」から「8.5」に拡大するのか…日本のメリットと是非論

 

 アジアサッカー連盟(AFC)は1日、アメリカ、カナダ、メキシコの北中米3ヵ国で共同開催される2026年の第23回ワールドカップで、アジア大陸枠が従来の「4.5」から「8.5」へ大幅に増えると正式に発表した。出場国数そのものが今冬のカタール大会までの「32」から「48」へ拡大されるなかで、ワールドカップ本大会における実績でヨーロッパや南米などの他大陸に大きく劣るアジアが、大きな恩恵を受ける理由とその是非を追った。

アメリカ、カナダ、メキシコで共同開催される2026年大会は出場国数が「32」から「48」へ拡大

 カタール大会に臨む32チームが6月でようやく出そろい、史上初めて冬に開催されるワールドカップへ向けたカウントダウンが始まったのと同時進行で、4年後の2026年に行われる第23回大会へ向けた動きも本格化してきた。  アメリカ、カナダ、メキシコの北中米3ヵ国で共同開催される2026年大会は、出場国数が現行の「32」から50%増の「48」へ拡大される。各大陸に割り当てられる枠も一律に増えるなかで、アジアは従来の「4.5」から「8.5」へ大幅に増えるとAFCが正式に発表。その上でアジア予選の実施方法も大きく変更された。  他大陸の出場枠は、ヨーロッパが「13」から「16」へ、南米が「4.5」から「6.5」へ、アフリカが「5」から「9.5」へ、北中米カリブ海が「3.5」から現状で開催国枠を含めて「6.5」へ、オセアニアが「0.5」から「1.5」へそれぞれ増加。ヨーロッパ勢以外は大陸間プレーオフを戦い、最後の2ヵ国が出場権を獲得するシステムになっている。  国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は、公約のひとつにワールドカップの出場国数拡大を掲げて2016年2月の会長選で当選し、第9代会長に就任した。公約が具現化されるメリットをFIFAはこう説明している。 「ワールドカップに参加する国や地域が増え、放映権料をはじめとする収益も増える」  商業主義を優先させるFIFAが期待するのはアジア、具体的には経済規模が大きい中国やインド、中東の産油国であり、それが出場枠の大幅増に反映されている。  ワールドカップ本大会に出場するアジア勢は、カタール大会までで13ヵ国を数えている。もっとも、第1号となった1938年フランス大会のオランダ領東インド(現インドネシア)を除けば、出場国は東アジア勢と中東勢で占められてきた。  特に出場国数が「32」に増えた1998年フランス大会以降は、日本、韓国、サウジアラビア、イラン、オーストラリアが常連となっている。それでも決勝トーナメントへ出場したケースは、日本の3度、韓国の2度にとどまっている。  急速に力をつけているベトナムやタイの東南アジア勢、中央アジアのウズベキスタン、サウジアラビアとイランを除く中東勢、そして中国は出場枠拡大を大歓迎するだろう。インファンティーノ会長も「私の案はサッカーを世界中に発展させるものであり、ワールドカップは単なる競技会から社会的なイベントになる」と価値を強調している。  しかし、 アジア勢が苦戦を強いられ続けている歴史を踏まえれば、アジア勢が最大で9ヵ国も出場する状況は大会全体の競技の質を下げ、グループリーグで盛り上がりに欠ける試合が増えれば、結果としてワールドカップそのものの価値を貶める。

 

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