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日本代表MFでシュツットガルトでプレーしている遠藤航のリバプール移籍が決定的になった(写真はドイツ杯1回戦でのゴール後:picture alliance/アフロ)
日本代表MFでシュツットガルトでプレーしている遠藤航のリバプール移籍が決定的になった(写真はドイツ杯1回戦でのゴール後:picture alliance/アフロ)

「彼は一体何者?」「なぜクロップ監督は同意したの?」遠藤航の名門リバプール移籍が決定的も英メディアや地元ファンは懐疑的見方

 日本代表のキャプテン、MF遠藤航(30)がブンデスリーガのシュツットガルトからプレミアリーグの名門リバプールに電撃移籍すると、17日に複数のヨーロッパメディアが報じた。移籍金は最大で2500万ユーロ(約39億6700万円)と報じられていて、遠藤もシュツットガルトの許可を得た上でリバプール入りしてメディカルチェックを受けた。ヨーロッパ中を驚かせた今回の移籍交渉だが、大物獲得に相次いで失敗した直後のリバプールの補強には、熱狂的なファン・サポーターから懐疑的な視線も向けられている。

 ヘンダーソン、ファビーニョ退団もカイセド、ラヴィアを獲得できず

 

 わずか1日の間に「Endo」がヨーロッパ中に広まった。
 ブンデスリーガで2シーズン続けて残留争いを強いられたシュツットガルトから、プレミアリーグを代表する名門のリバプールへ。シンデレラストーリーとも言える移籍を、英国をはじめとするヨーロッパメディアは時間を追いながら何度も報じた。
 もっとも、なかには懐疑的な視線を向ける記事もある。例えば英国紙『Daily Mail』は、リバプールによる遠藤へのアプローチを皮肉まじりに報じている。
「識者から『賢い』と称賛されるも……日本代表のキャプテンがメディカルチェックを受けるというのに、ファンは『何をやっているのか』と不機嫌に」
 リバプールの地元紙『LIVERPOOL ECHO』は24時間以内に、遠藤に関する記事を10本以上も掲載。最も読まれた記事のタイトルはこうなっていた。
「Who is Wataru Endo ?(遠藤航とは誰なんだ?)」
 記事そのものも「リバプールのサポーターは7日前の時点で、30歳の日本代表MFと縁ができるとは思いもよらなかっただろう」で始まっている。
「リバプールはMFモイセス・カイセドの獲得に英国史上最高額で応札したが、21歳のエクアドル代表はチェルシーと契約した。サウサンプトンのMFロメオ・ラヴィアも以前から追っていたが、19歳のベルギー代表に対する3度目の入札も拒否された。そこで実績のある守備的MFとして、シュツットガルトのキャプテン、遠藤航の獲得に乗り出した」
 リバプールではこのオフ、イングランド代表ジョーダン・ヘンダーソン(33)とブラジル代表ファビーニョ(29)がサウジアラビアへ移籍。元イングランド代表のジェイムズ・ミルナー(37)も契約満了に伴って退団するなど、守備的MFが一気に手薄になった。
 もちろん狙い通りにカイセドとラヴィアを獲得できればよかった。特にカイセドには英国史上で最高額となる、1億1500万ポンド(約214億3500万円)もの移籍金を前所属のブライトンへ提示するも拒否され、ラヴィアもチェルシー入りが報じられている。
 現地時間13日に行われた2023-24シーズン開幕戦では、敵地で因縁のチェルシーと対戦。1-1で引き分けたなかで、中盤の底で守備ができる選手の不在が大きくクローズアップされた。対人守備にめっぽう強く、ボール奪取にも長け、怪我にも無縁のブンデスリーガの“デュエルキング”遠藤の獲得は懸案事項を一気に解決する補強でもあった。
 ただ、遠藤の名前はイングランドでは、ほとんど知られていなかった。

 

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