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ボクシング界期待の新星…左から堤駿斗、那須川天心、武居由樹(写真・山口裕朗)
ボクシング界期待の新星…左から堤駿斗、那須川天心、武居由樹(写真・山口裕朗)

2023年のプロボクシング界に井上尚弥に迫る“ネクストモンスター”は出現するのか…那須川天心がいよいよ今春デビュー予定

 その天心より先にキック界から転身してきたのが元K-1王者の武居だ。昨年8月にプロ5戦目でOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者のペテ・アポリナル(フィリピン)に挑戦し5回TKO勝ちでベルトを手にした。
12月には、頭から突っ込んでくる変則ファイターのブルーノ・タリモ(27、豪州)に手を焼き、バッティングで目の上をカットされて失速、アウトボクシングを余儀なくされたが、11回にタリモの流血がひどくなりTKOが宣告され連続KO記録は6に伸ばした。
「自分の中では納得いかない。まだまだ自分が弱いってことで。世界?たくさんやらなければいかないことあることが、余計にわかった」
反省しきりだったが、担当の元3階級制覇王者の八重樫東トレーナーは長引くことを想定しており、「足を使うボクシングをやらせたかった。倒す、倒さないの目先のことではなく、これからのボクシング人生を考えると、こういうしんどい試合をクリアしたことは良かった」と評価した。
 武居の魅力は一発のパンチ力とボクサーにはない独特のタイミング。前にジャンプするようにして打つ変則のフックは必殺パンチとなっている。課題は、ディフェンス、キックより長いラウンドを戦うボクシングのリズムやテンポ、距離への対応。その意味では11ラウンドを戦った、この試合は収穫だったのかもしれない。 
 現在、武居はスーパーバンタム級を主戦としているが、バンタム級への転級予定で、本人も「全然いけます」と言う。井上がバンタム級の4つの世界ベルトを返上する予定のため、世界戦のチャンスはバンタム級の方が広がる。武居がいきなり挑戦権を手にする可能性もゼロではない。
 また武居は「いつか天心とやりたい」と公言している。
 天心もバンタム級、あるいはスーパーバンタム級で戦う方向で、階級が重なっているため、武居と天心が“ネクストモンスター”の座を争う注目カードもいつか実現するかもしれない。

 

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