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シャルケの吉田麻也が今季限りで退団と海外報道…Jリーグ復帰の可能性も浮上してきた(写真:picture alliance/アフロ)
シャルケの吉田麻也が今季限りで退団と海外報道…Jリーグ復帰の可能性も浮上してきた(写真:picture alliance/アフロ)

どうなる?!吉田麻也のシャルケ退団報道で浮上してきた14年ぶりのJリーグ復帰説

 勝利だけが求められた最終節。敵地でライプツィヒに2-4で完敗し、17位のまま降格が決まった今シーズンの幕切れを、吉田はベンチで見届けている。チームの浮沈がかかった大事な試合で起用されなかったことに加え、オフの去就をめぐるドイツメディアの記事でほんのわずかしか言及されていない点に吉田の現状が反映されていると言っていい。
 契約満了に伴うシャルケ退団とともに、移籍金が発生しないフリートランスファーで新天地と交渉できる。しかし、ごく一部のトップ選手を除いて、ヨーロッパは年齢に対して特にシビアな視線を送る。終盤戦で先発から外れ、8月には35歳になる吉田がヨーロッパのトップリーグでキャリアを継続させるには、高く険しいハードルがそびえていると言わざるをえない。
 もちろんトップリーグという条件を外して、ヨーロッパでの挑戦を続ける選択肢もある。ただ、吉田のシャルケ退団報道を受けたネット上では、ブラジル、ロシア、キャプテンを務めた昨年のカタールと3大会連続でW杯に出場した日本代表を含めて、キャリアで培ってきた濃密な経験をJリーグへ還元してほしいという声も高まっている。
 新天地の候補にあがっているのは、2009シーズンまで3年間所属した古巣の名古屋グランパスだけではない。首位をキープするも特に最終ラインに怪我人が続出しているヴィッセル神戸や、2018シーズン以来のJ1を目指し、J2で4位につけるV・ファーレン長崎の名前も飛び交う。長崎に関しては吉田が長崎県長崎市出身という縁も大きく関係している。
 吉田自身はプロのキャリアをどのようにとらえているのか。カタール大会中に「まだ現役なので、振り返るにはちょっと早いかな」と苦笑しながらこう語っている。
「誰もやっていないことに挑戦したい、という気持ちがずっとあった。そこに魅力とモチベーションを感じてきた結果として、少しずつながら扉が開いて次の世代の選手たちがヨーロッパに来られるようになった。彼らが普通にプレーできているのが見ていて嬉しい」
 後に続いたセンターバックの筆頭が、カタール大会に招集された冨安健洋(24、アーセナル)や板倉滉(26、ボルシアMG)、伊藤であり、第2次森保ジャパンで招集された瀬古歩夢(22、グラスホッパー)や町田浩樹(25、ユニオン・サンジロワーズ)となる。
 名古屋から2009年の年末にVVVフェンロー(オランダ)へ加入。ヨーロッパでの挑戦をスタートさせた吉田は、12年夏にステップアップしたサウサンプトン、サンプドリア、そしてシャルケでキャリアを紡いできた。7年半所属したサウサンプトンでマークした通算154試合出場は、最高峰とされるプレミアリーグでの日本人選手最多記録でもある。
 21歳で日本を飛び立ってから14年目。ヨーロッパの猛者たちと対峙するセンターバックの先駆者として必死に荒野を切り拓いてきた吉田に決断のときが迫ろうとしている。

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