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アマ13冠の堤駿斗がプロ3戦目でOPBF東洋太平洋フェザー級の王座を3-0判定で獲得した。日本最速記録だ。
アマ13冠の堤駿斗がプロ3戦目でOPBF東洋太平洋フェザー級の王座を3-0判定で獲得した。日本最速記録だ。

「大谷翔平流の卵が…」“アマ最高傑作”の堤駿斗がプロ3戦目の最速記録で東洋王者になれた理由とは?

 

 米国ラスベガスでトッププロと拳を交えてきた。
 元WBA、IBF世界スーパーウェルター級王者フェルナンド・バルガス(米国)の三男でライト級のプロスペクトと評されているエミリアーノ・バルガスや、WBC世界スーパーフェザー級2位のパブロ・ビセンテ(キューバ)ら世界のトップランカーと週に3度のペースで計60ラウンドのスパーを重ねた。今回は、遭遇しなかったが、清水が7月25日に世界挑戦するWBO世界フェザー級王者ロベイシ・ラミレス(キューバ)とのスパー経験もある。世界を肌で知り「通用する」との自信を深めた。
 ラスベガスでは家を借りての自炊生活。地元のマーケットに食材を買いにいき、スマホのレシピを頼りに、料理にも挑戦した。得意料理は「スクランブルエッグ」。それが料理と言えるかどうか微妙だが、WBCで世界一となったエンゼルスの世界的スーパースターの大谷翔平が、その肉体作りに“完全栄養食”と呼ばれる「卵」をゆでて、朝食や間食に3つも4つも食べているとの記事を読んでから卵を積極的に食べるようにした。
 こういう研究熱心さと向上心が堤の強さの理由のひとつだ。
 減量は厳しく、今回も計量後のリカバリーで8キロも体重が増えた、それでも今回は、水抜きの前に塩分の摂取量を抑えるなどして、むくみもなくなり「重くは感じなかった」という。 
 計量当日は、うなぎや焼肉など3食を食べるが、試合当日は1食に抑えるのが、リカバリーのルーティン。プロ3戦目で初体験となる11、12ラウンドのチャンピオンズラウンドに猛ラッシュをかけることのできたスタミナは、もちろん豊富な練習量に裏づけされたものだが、異例とも言える体重増と、世界の二刀流スターに学んだ「卵」摂取が役立ったのかもしれない。

 一緒に空手道場に通った幼馴染の那須川天心(帝拳)がボクシングデビューを飾り、高校時代からのライバルだった“ミライモンスター”松本圭佑(大橋)は、一足先に日本フェザー級王者となった。“ネクストモンスター世代”の活躍が「いい刺激になっている」という。
「新しい風。次世代スター候補たちが勢いに乗っている。それに乗り遅れないように中心選手として突き進んでいくようになりたい。結果を出し続けないとすぐ見捨てられますから。上を目指すなら、いずれ(松本とは)やることになる」
 共に世界を狙う海を越えた同志もいる。
 現在WBA世界フェザー級1位にランクされているオタベック・コルマトフ(ウズベキスタン)だ。日本人初の金メダルを獲得した世界ユースの準決勝で対戦して勝っている相手で、インスタでの交流があり、「オレも世界を獲る。おまえも勝て!」との激励を受けていた。WBAは、11戦(10KO)無敗のコルマトフと、WBA世界同級王者に返り咲いたリー・ウッド(英国)との指名試合を指令しており、コルマトフが、もし王者になれば、堤にとって友情を超えた今後の目標にもなる。

 

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