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ドジャースの大谷翔平が専属通訳だった水原一平氏が解雇された問題についての声明を読み上げた(資料写真・西村尚己/アフロスポーツ)
ドジャースの大谷翔平が専属通訳だった水原一平氏が解雇された問題についての声明を読み上げた(資料写真・西村尚己/アフロスポーツ)

米の広報&リスク管理専門家は賛否ある大谷翔平の12分会見を「Aランク」と評価

 ドジャースの大谷翔平(29)が25日(日本時間26日)、ドジャースタジアムで元専属通訳である水原一平氏(39)が違法賭博の借金を返済するために大谷の銀行口座から窃盗を働いたという容疑で解雇された問題についての声明を発表した。約12分間にわたって日本語で説明し、通訳をアイアトン氏が務めた。時系列順にまとめたメモに従って語った内容は、核心に触れたものだった。ただ質疑応答を行わなかったため米メディアからは「まだ疑念は残っている」などの声も出た。その中で米サイト「フロントオフィススポーツ」は、広報やリスク管理の専門家の評価を掲載した。

 とても深刻な疑惑があることを明かした

 大谷の12分間声明は全米に衝撃を与えた。
 野球賭博、スポーツ賭博への関与を完全否定。ブックメーカーへの送金を依頼したことなど一切ないと断言した上で水原氏に「嘘をつかれていた」「勝手に口座にアクセスされた」という衝撃的真相を明かした。
 違法賭博による借金が膨らんだ水原氏に450万ドル(約6億8000万円)ものお金を盗まれたことをハッキリと伝え、韓国の第1戦の試合後のミーティングで水原氏が告白し、その後のホテルで1対1で話を聞くまで何もかも嘘で塗り固めららて騙され「何も知らなかった」という経緯を丁寧に説明した。
 今回の問題に関しては、疑問点や矛盾点が多く、大谷が借金を肩代わりしていたのか、それとも本当に何も知らなかったのか、が焦点のひとつだったが、大谷は、その核心部分について明確な答えを出した。それでも質疑応答がなかったため、ヤフースポーツやジ・アスレチックというメディアが「なぜ450万ドル(約6億8000万円)ものお金が消えたことに誰も気がつかなかったのか」「水原氏はどうやって大金を送金できたのか」などの多くの疑問点を指摘するなど、大谷の会見の評価としては、様々な意見や賛否が飛び交った。
 その中で「フロントオフィススポーツ」は、同メディアのポッドキャストに出演した広報やリスク管理のコンサルタントを務めるいわゆる記者会見の専門家マイク・ポール氏の意見を聞き、大谷の会見を「A」と評価した。
 同氏は最初の印象として「もしコントロールされた会見で、疑惑の犯罪の詳細について知るところが何もないのであれば、私は低いグレードを与えるだろう。しかし、今回の大谷会見は、犯罪の疑惑、それも、とても深刻な犯罪の疑惑があることを明かしたのだから私はAを与えるだろう」と説明した。
 その上で同氏は、大谷が会見で明らかにした「何も知らなかった。勝手に口座にアクセスされてお金を盗まれた」という事実と、水原氏が、ESPNのインタビューに当初語っていた「大谷に借金を肩代わりしてもらった。8、9回に分けて50万ドル(約7500万円)を2人でコンピューターにログインして送金した」という事実の違いについて、こんな見解を伝えた。
「大谷は、水原氏と代理人が(賭博への関与について)連絡を取り合っていた際にそれを通訳されなかったと言っていた。そこがおもしろい。それが私たちが2つの異なる答えを持っていた理由だ。1つは通訳者からの(大谷に借金を肩代わりしてもらった)という説明。もう1つが今回の大谷の(何も知らなかった。嘘をつかれていたとの)説明。真実と嘘。そして、誰かが、大谷が英語を話せないことをうまく利用して、あるメッセージをある人に伝え、別のメッセージをあなたに伝えようとしている」

 

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