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写真左がモセスになりすました“替え玉ボクサー”。日本フェザー級1位のオイコラ(右)が1回1分55秒にKO勝利している(写真提供・ボクシングモバイル)
写真左がモセスになりすました“替え玉ボクサー”。日本フェザー級1位のオイコラ(右)が1回1分55秒にKO勝利している(写真提供・ボクシングモバイル)

日本ボクシング界で衝撃の“替え玉”事件!ボビー・オロゴン氏委託の仲介者が手配した2人のナイジェリア人ボクサーが“別人”だった…JBCは関係者のライセンス停止処分へ

 

 JBCでは“替え玉”を防止するため、外国人ボクサーを招聘する際に、パスポート提出は、もちろんのこと、在留証明証、国によっては、短期の就労ビザなど、外国人ボクサーを呼ぶためには、いくつもの申請書類や証明書が必要になっている。
 本来であれば、前日計量の段階で、パスポートを照合して確認するが、今回は、在留証明証とナイジェリア政府の公的書類などがあったため、パスポートの照合が行われなかったというミスがあった。申請書類の写真はチェックされたが、JBCも平仲会長も別人とは気がつかず、計量もクリアして鍛えられた肉体を披露していたため“替え玉”であることが見過ごされたという。
 今回のマッチメイクを担当したのは、ナイジェリア出身のタレント、実業家で格闘家でもあるボビー・オロゴン氏。ボビー・オロゴン氏は、現役時代に平仲氏からボクシング指導を受けていた関係で同ジムのマネージャーを務めており、オイコラを日本に呼んできた仕掛け人だ。だが、今回の2人は、ボビー氏が、直接交渉したわけではなく、「ナイジェリアのスポーツ庁のようなところと仕事をしている」(平仲会長)という人物が仲介に入って手配したという。
 実際にリングに立った2人が、誰だったかを現在調査中だが、ボビー氏が海外渡航中で、まだ最終確認は取れていない。
 日本在住のナイジェリア人だとの情報もあり、プロボクシングライセンスを持っていない可能性が高く、もし素人をプロのボクシング興行のリングに上げていたとなると、信用問題も、さることながら安全性の面でも大きな問題がある。
 “替え玉事件”は、初めてのケースではなく、2001年7月2日に広島で行われたOPBF東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチでも、別人がリングに上がって試合をする事件があった。王者の佐竹政一(明石)に、当初、同級1位のシントン・ナノンタチャイ(タイ)が挑戦するはずだったが、実際にはピチャイ・チタラダ(タイ)がリングに上がり、佐竹が7回KO勝ちし防衛に成功していた。だが、その後、専門誌に掲載された写真を見た関係者から「別人だ」との指摘を受けたJBCが、パスポートなどを確認したところ“替え玉”だったことが判明。JBCは、招聘した国内のマッチメイカーに3カ月間のライセンス停止処分を下し、別人を来日させたタイの仲介人を無期限のライセンス停止処分としている。
 このケースは素人ではなくプロボクサーの“替え玉”だったが、JBCは事態を重く受け止めて、以降、同様の問題が再発しないように、申請手続き、確認作業などを強化していた。
 ボビー・オロゴン氏は、マネージャーライセンスしか持っていないため、今回のマッチメイクの責任者は、平仲会長ということになり、今後、詳しい事実確認が終わり次第、JBCからライセンス停止などの厳しい処分を下されることになる。また平仲会長は、西部プロボクシング協会会長、日本プロボクシング協会副会長の要職についており、それらの職を辞任する方向で責任を取るとみられる。

 加えて“替え玉”がプロライセンスを持っておらず過去の試合記録が証明できない場合、2人と試合したオイコラ、オロゴンのKO勝利は記録から抹消されて無効試合となる。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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