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昨年大晦日の井岡とフランコの統一戦のドーピング検査で微量の大麻成分が検出されていた(写真・山口裕朗)
昨年大晦日の井岡とフランコの統一戦のドーピング検査で微量の大麻成分が検出されていた(写真・山口裕朗)

激震!井岡一翔ドーピング検査で大麻成分が検出…規則に反しない微量で24日のフランコ戦は実施も直前の発表にジム側は潔白訴え「困惑。疑義を有さざるを得ない」と緊急声明

 

 日本ボクシングコミッション(JBC)は21日、元4階級制覇王者の井岡一翔(34、志成)が昨年の大晦日に行った試合のドーピング検査で禁止薬物の大麻成分(THC―COOH)が検出されたと発表した。JBCによるとドローに終わったWBA世界スーパーフライ王者のジョシュア・フランコ(27、米国)との王座統一戦の試合後のドーピング検査の尿検体から禁止物質THCの代謝物が検出された。だが、世界ドーピング防止機構(WADA)の基準以下の微量だったため、今回は、JBCのドーピング違反による処罰の対象とはならず、24日に大田区総合体育館で予定されているフランコとの再戦は予定通りに実施される。 ただ、今後の処分は検討されているという。
 一方、井岡が所属する志成ジムは緊急声明を発表。大麻などの禁止薬物の摂取と使用を全面否定した上で、世界戦直前に発表された点について「非常に困惑し疑義を有さざるを得ない」と怒りを込めて疑念を訴えた。
 井岡は2020年の大晦日に行われた田中恒成(畑中)戦でも大麻成分が検出され、ドーピング疑惑が持ち上がったが、JBCのずさんな管理が問題となり潔白が証明され、その後、JBCが謝罪をしていた。

 JBCが今後の処分を検討

 井岡が、WBO王座を返上し無冠になってまで挑むフランコとの再戦を前に激震が走った。
 JBCは21日の深夜に昨年大晦日のドーピング検査で採取した尿検体から大麻成分が検出されたことを緊急発表した。
 リリースによると、禁止物質の大麻成分THCの代謝物であるTHC-COOH(Carboxy-THC)が検出されたという。だが、WADAは、尿中のTHC-COOH濃度の閾(いき)値は150 ng/mL、判定限界は180 ng/mLとしており、今回の尿検体のTHC-COOH濃度がこれを超えるものではなかったため「ドーピング禁止を定めるJBCルール第97条に違反しなかったものと判断」した。
 今回処罰対象とはならず、予定通りに2日後に控えたフランコとの再戦は実施されることになった。つまり検出量が、パフォーマンスに影響を与えないほど微量だったというわけだ。
 ただ日本の法律で禁止されている大麻成分が検出されたため、「JBCは、ドーピング行為に反対し、公正なボクシングを推進しています。また当法人は、青少年の健全な育成を支援しており、日本における大麻などの違法な薬物の使用は一切認めていません」との文言を付け加えた。
 日本の法律では、大麻使用は禁じられているが、こちらも、尿から成分が検出されたことだけで、刑事処罰の対象にはならないという。
 さらにJBCは、「ルール第97条違反以外の当法人の各種規程の違反を理由とする処分の可能性については当法人で検討中です」と、今後、井岡に対して、なんらかの処分を下す可能性があることを示唆した。
 JBCルールでは、「不正破壊の行為に対しては、たとえ法規において合法と解釈されることであってもフェアープレーと誠実の精神を侵す場合はこれを排斥する」とも定められており、今回の大麻成分検出がそのルールに抵触する可能性がある。
 一方、JBCの発表を受けて井岡が所属する志成ジムサイドも緊急声明を発表した。
「井岡は、フランコ選手との再戦を予定しており、その直前にこのような発表がなされることについては、当ジムとして非常に困惑しているとともに、疑義を有さざるを得ません。JBCの発表によりますと井岡をドーピング防止について定める97条に違反しないと判断したとのことですので、当ジムとしても安堵しているところではありますが、それをこのタイミングで発表することの必要性があったのかについては疑問が残ります」

 

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