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WBO世界フェザー級王者のロベイシ・ラミレスが井上尚弥との将来的な対戦を熱望した(写真・山口裕朗)
WBO世界フェザー級王者のロベイシ・ラミレスが井上尚弥との将来的な対戦を熱望した(写真・山口裕朗)

「将来的に井上尚弥が階級を上げてくるなら戦いたい。いい試合になる」なぜWBO世界フェザー級王者のラミレスら世界の強豪が次々と“モンスター”との対戦を熱望するのか?

 ロンドン五輪フライ級、リオ五輪バンタム級で連続金メダルを獲得したキューバ時代には、海外遠征が多かったが、亡命を恐れる国家に監視され、選手村や宿舎に閉じこめられた。合宿中に脱走して亡命を果たし、“自由の国”アメリカでプロボクサーになってからは、アマ時代の反動からか、行く土地の文化やグルメを満喫することにしている。
 大橋会長も「陣営の雰囲気としては自信満々だね」と分析した。
 それでも、歴戦の“総帥”は、「すべてが想定内。ああいう完璧な選手は崩れるときには大きく崩れる。思った以上にレベルが高かったが、逆に崩れ方も大きくなる。清水とやる選手は、(変則の)パンチを受けてペースを崩す選手が多い。どう崩すか。どう強いパンチを当てられるかだな」とニンマリ。
 ラミレス本人は、「アマ時代と今の私は違う。アマ時代は若かったし頭も足りなかった。サラスと集中的な練習をして強くなった」と豪語するが、プロでは、アグレッシブな攻撃を仕掛けるようになり、その際に粗さが目立つ。
 清水が14センチの身長差を生かし独特のタイミングで繰り出す“幻の左”が炸裂すればチャンスはある。ただ客観的に見ればラミレスが有利だろう。
「まずはこの試合」と、ラミレスは初防衛戦となる清水戦に集中しているが、その先には野望と夢がある。4団体の統一とメインで戦う井上とのドリームマッチの実現だ。この階級には、WBCが、亀田和毅との同スーパーバンタム級の統一戦を制して階級を上げたレイ・バルガス(メキシコ)、WBAがリー・ウッド(英国)、IBFがルイス・ロペス(メキシコ)と3人の他団体王者いるが「誰でもいい。統一を狙う」との野望がある。
 そしてラミレスが将来的に対戦を熱望しているのが、ひとつ階級が下になる井上だ。
「井上が階級を上げてきてチャンスがあればぜひやりたい。いい試合になると思う。私のキャリアのプラスになるしファンのためにもなる」
 スーパーバンタム級の2団体統一王者のフルトンに挑む井上との対戦を視野に入れている。しかも「いい試合になる」と豪語するのだ。
 井上は、すでにトレーニングの過程で「適正階級」と感じ始めているスーパーバンタム級にしばらく留まり、4つのベルトをまとめ、この階級の強豪ボクサーを総なめにしていきたいという考えでいる。だが、またライバルがいなくなり、さらに減量が厳しくなれば、フェザー級への転級の可能性もゼロではない。大橋会長は、「フェザーまではいける」と断言している。
 ラミレスは、井上よりも、ひとつ年下だから、今後もフェザー級のベルトを守り続けることができるのであれば決して対戦は夢物語ではない。
 実は、階級の違う世界の名だたる超トップボクサーが、次から次への井上との対戦を口にするという現象が世界中で起きている。

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