• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • なぜフルトン陣営は井上尚弥の“拳”に「証拠がある」と“いちゃもん”をつけたのか…恐怖のパンチ力への警戒…過去にパッキャオやカネロも同じクレームをつけられた例も
王者のフルトンと井上尚弥はほとんど目も合わせなかった(写真・山口裕朗)
王者のフルトンと井上尚弥はほとんど目も合わせなかった(写真・山口裕朗)

なぜフルトン陣営は井上尚弥の“拳”に「証拠がある」と“いちゃもん”をつけたのか…恐怖のパンチ力への警戒…過去にパッキャオやカネロも同じクレームをつけられた例も

 JBCや米国の主要なアスレチックコミッションが肌に直接テーピングを行う方式を認めている理由は、「拳のケガを保護するため」のもの。拳がより固定されることで明らかにケガで減る。そして強打者が、この巻き方を好む理由も同じく拳のケガ予防だ。
 井上も度重なる拳の故障に苦しんできたが、バンテージ職人の協力を得たのちに佐久間トレーナーが研究を重ねて、バンテージの巻き方を工夫するようになってから試合中のケガがなくなった。
 元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏も、フルトン陣営のクレームの狙いをこう読み取る。
「それだけ井上選手のパンチ力を恐れているのでしょう。僕の現役時代も世界戦で同じようなクレームを海外陣営につけられたことがありました。JBCは昔から肌に直接テープを巻くことを許可しています。何の問題もありません。フルトン陣営の狙いとしては、バンテージを薄くさせて、試合途中に井上の拳のケガを誘発しようという狙いもあるのかもしれません」

 ましてや拳のケガで5月7日に予定されていた試合が延期になったのだ。
 明日24日には前日計量及び両陣営が参加してのルールミーティングが行われるが、大橋会長は「もうひと悶着あるかもしれないね」と警戒心を深める。
 フルトン陣営がWBC、WBOに直接、肌に直接テープを巻くことを禁じるように要請するだろうが、JBCの関係者は、認定団体は、従来通りローカルコミッションのルールを遵守する可能性が高いという見立てをしている。
 どれだけ神経戦を仕掛けられても井上に何の動揺もない。
 この日の会見では、「凄く高いモチベーションを持って今日まで進んでくることができた。一番のポイントは、自分が挑戦者であること。5年ぶりの挑戦者で今まで以上にいい試合ができると思う。フルトンは頭がいいボクサーだとの印象があるが、どんな局面においても勝つボクシングというものを徹底する」と、落ち着いた表情で語った。
 そして何を証明したいか?の質問にこう答えた。
「今スーパーバンタム級で一番強いチャンピオンはフルトンだと思っている。〈勝って)自分がスーパーバンタム級でナンバーワンだと証明できると思う」
 運命のゴングまであと2日だ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

関連記事一覧