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ボランチ長谷川唯のゲームコントロールが見事だった(写真:AAP/アフロ)
ボランチ長谷川唯のゲームコントロールが見事だった(写真:AAP/アフロ)

なぜ女子W杯8強進出をなでしこは果たせたのか…見事なハーフタイム修正力…次戦がVへの“最大の山場”3連覇狙う米国対スウェーデンの勝者

「コンディションが悪いように映った選手が誰もいなかった一方で、もう少し交代枠を使ってもよかったのかな、と。サッカーは最後の5分、10分でかなり疲れが出てくる。1点差の状況では変えづらかったのかもしれないが、2点差になってからは数人を休ませる起用も可能だった。ただ、池田監督としては準々決勝までの中5日という日程を考慮したのかもしれない。真冬の南半球で開催されている大会で、5日間あれば体力もかなり回復するはずなので」
 準々決勝が行われるのは中5日の11日。日本時間16時半からオークランドのイーデン・パークで行われる。オーストラリア・メルボルンで6日に対峙する、FIFAランキング1位で大会3連覇を狙う米国と同3位のスウェーデンの勝者と対戦する。
 過去の対戦成績は米国に1勝8分け29敗と大きく負け越し、スウェーデンにも5勝3分け6敗と黒星を先行させている。決勝でPK戦の末に米国を破った、2011年ドイツ大会決勝は記録の上では引き分け扱いとなる。スウェーデンにはドイツ大会準決勝で勝利しているものの、2年前の東京五輪準々決勝ではしっかりと借りを返されている。
「とはいえ、いまのなでしこのチーム状況や選手たちを見る限り、両国を怖がる必要はまったくないと言っていい。特に米国は、かつて私が監督を務めていた1980年代後半を含めて、絶対に勝てないと思わされてきた存在はもはやなくなっている」
 今大会のグループEを1勝2分けと、オランダに次ぐ2位でかろうじて通過した米国の現状を鈴木氏はこう受け止める。その上で、スペイン戦を終えた時点で感じていた優勝への手応えが「さらに大きくなってきた」と今後を見すえた。
「メンバーを変えても、ほとんどレベルが変わらない。戦術的な部分でもチームワークが確立されている上、誰が出てもお互いに信頼し合い、さまざまなコンビネーションプレーが発揮されている。雰囲気を含めて、非常に素晴らしいチームになっている」
 4年前にフランスで開催された前回W杯で、なでしこは決勝トーナメント1回戦でオランダに敗れた。当時も出場している清水は、試合後のインタビューで「2019年は本当に悔しい思いをした」と振り返った上で、こんな言葉を紡いでいる。
「まだまだこれからだけど、ひとつ壁を破りました」
 ノルウェー戦で3ゴールを加えたなでしこは今大会通算14ゴールに伸ばし、優勝した2011年大会の12ゴールを上回って一大会における最多得点記録を塗り替えた。もっと大きな歴史を塗り変える戦いへ。2大会ぶり4度目のベスト8進出はまだ通過点にすぎない。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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