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大活躍した富永啓生(左)と河村勇輝(右)が抱き合って歴史的勝利を喜ぶ(©FIBA)
大活躍した富永啓生(左)と河村勇輝(右)が抱き合って歴史的勝利を喜ぶ(©FIBA)

バスケW杯で日本に歴史的勝利を奪われたフィンランドメディアは「最も屈辱的敗戦」と母国を批判し「情熱的ディフェンス」と日本を称える

 FIBAの公式スタッツのリバウンドで、日本は36本とフィンランドの35本を上回っている。そのうち半分以上の19本を獲得したのが、今年2月に日本国籍を取得した、米シアトル出身のジョシュ・ホーキンソン(28、渋谷)だった。
 身長208cm体重106kgの巨躯をフル稼働させてインサイドの守護神と化し、攻めてもチーム最多の28得点をマーク。25得点の河村、17得点の富永と比江島慎(33、宇都宮)を上回ったホーキンソンへ、ホーバスHCも賛辞を惜しまなかった。
「第2クオーターは相手のリズムだったが、後半は日本のリズムだった。最終クオーターでディフェンスからのトラディションで何点取ったかわからないけど、そのなかで河村と富永の若い選手がよく頑張った。ジョシュも本当にすごかった」
 第3クオーターのスコアは27-27、最終クオーターでは日本が35-15と大差をつけた。その要因を、前出の『iltalehti.fi』はプレー以外にも求めている。
「日本は最終クオーターで信じられない逆転劇を演じた。何が起こっていたのか。フィンランドのチームディフェンスと結束力が試合終盤に大きくひび割れ、勝利への意欲という面でホームの大観衆に元気をもらった日本に最後は上回られた。さらに最終クオーターでは、フィンランド首脳陣の采配にも大きな疑問が投げかけられた。フィンランドは残り4分を切った段階でタイムアウトを取ったが、その時点で日本は4点のリードを奪っていたからだ」
 25日のドイツとの開幕戦ではチケットが完売と発表されていたにもかかわらず、空席が目立った状況が物議を醸し、ホーバスHCや渡邊も疑問を呈した。フィンランド戦の観客数は977人増の7374人。ブロック単位で空席だったベンチ向かいのエリアも埋まり、ニッポンコールやディフェンスコールで勝利を後押ししたと同メディアは伝えた。
 日本の結束力の強さは、試合後のフラッシュインタビューからも伝わってきた。大会直前に右足首を捻挫した影響で4得点、得意の3ポイントシュートは3本放ってゼロだった渡邊は勝利を見届けたベンチで号泣。インタビューにもかすれた声で応じた。
「僕自身は全然動けてなくてダメでしたけど、チームメートのみんなが僕の代わりに一生懸命やってくれて、お客さんもこれだけ盛り上がってくれたなかで自分たちの力を出し切ることができた。明日身体が動かなくなってもいい、という気持ちで今日は動いていた。明日は本当に動けないかもしれないけどいいです。明日休んで、また全力を出します」

 

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