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中国メディアは88年ぶりに母校を破った日本のホーバス・ヘッドコーチを絶賛した(©FIBA)
中国メディアは88年ぶりに母校を破った日本のホーバス・ヘッドコーチを絶賛した(©FIBA)

中国メディアはバスケット日本代表に88年ぶりに敗れた母国の屈辱を審判に八つ当たり…「ホーバスに学べ」の評価も

 バスケットボール男子日本代表が歴史的な勝利をあげた。25日に東京・有明コロシアムで行われたアジア・カップ1次予選グループCで、世界ランキング26位の日本が76-73で同29位の中国を撃破。主要国際大会で18連敗中だった中国から、1936年のベルリン五輪以来、実に88年ぶりとなる白星をもぎ取った。アジアの盟主を自負してきた中国が喫した衝撃的な黒星に、同国メディアは「審判の偏った笛に悩まされ続けた」と日本にフリースローを多く与えた審判に八つ当たりする一方で、トム・ホーバス・ヘッドコーチ(57)を高く評価した。

 

司令塔の河村勇輝は12得点4アシストの活躍を見せる(©FIBA)

 フリースローを多く与えたと審判を批判

 長く、暗いトンネルをようやくくぐり抜けた。
 ホーバス・ヘッドコーチに率いられるバスケットボール男子日本代表が、主要国際大会で18連敗中だった中国を76-73で撃破。1回戦で勝利した1936年のベルリン五輪以来、実に88年ぶりとなる歴史的な白星をもぎ取った。12得点4アシストをマークした司令塔の河村勇輝(22、横浜BC)は「中国相手でも、勝たないといけないんだという強い信念やプライドが一つ一つのプレーに結び付いたと思う」と胸を張った。
 来年8月にサウジアラビアで開催される、アジア・カップ出場権獲得をかけた1次予選の中国戦。前半を38-38で折り返した日本は、第3クオーターに比江島慎(33、宇都宮)や富樫勇樹(30、千葉)ら昨夏に沖縄県などで開催されたW杯で活躍し、パリ五輪出場権獲得に貢献した選手たちがゴールを決めてじわじわとリードを広げていく。
 最終第4クオーターでもW杯代表勢が活躍する。河村が連続3ポイントシュートを決めれば、残り1分9秒には比江島とジョシュ・ホーキンソン(28、渋谷)のダブルチームからボールを奪取。そのままホーキンソンが豪快なダンクを決めて、試合会場となった有明コロシアムへ駆けつけたファンを熱狂させた。
 最終的には3点のリードとともに、必死に食い下がる中国との接戦を制した直後のひとコマ。
 悔し涙を流しながらフラッシュインタビューに応じた中国の主力選手、胡錦秋の言葉を中国のポータルサイト『捜狐』のスポーツ版が次のように伝えている。
「今日の負けを絶対に忘れずに、失ったものを取り戻していきたい」
 日本に敗れた現実を受け入れた胡錦秋とは対照的に、中国のメディアは長く自負してきたアジア盟主の誇りを捨てきれないまま、怒りをぶつける対象を探している。
 前出の『捜狐』は審判に不満を募らせた。
「中国男子代表チームは試合を通して、審判の偏った笛とファウルトラブルに悩まされ続けた。中国は前半だけで14個ものファウルを取られたのに対して、日本男子代表チームが前半に取られたファウルはわずか6個にとどまっている」
 トータルのファウル数は、中国の「24」に対して日本は「18」だった。フリースローに至っては27本中で21本を成功させた日本に対して、中国は15本中で13本だった。12本差がついたフリースローが試合結果に反映されたとして、別の中国メディア『騰迅体育』は「日本のホームコートはあまりも悪魔的だった」とこう続けた。
「小柄で素早いプレーを仕掛けてくる日本の選手たちを止めようと、中国の選手たちがファウルに頼った点は否定できない。しかし、それでも審判のジャッジにはホームホイッスルの要素が強すぎた感があり、多くの論争を引き起こした。中国のヘッドコーチ、サーシャ・ジョルジェヴィッチは怒りのあまりに何度も審判を怒鳴りつけ、最終第4クオーターの残り7分32秒にはついにテクニカルファウルを取られてしまった」

 

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