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大活躍した富永啓生(左)と河村勇輝(右)が抱き合って歴史的勝利を喜ぶ(©FIBA)
大活躍した富永啓生(左)と河村勇輝(右)が抱き合って歴史的勝利を喜ぶ(©FIBA)

バスケW杯で日本に歴史的勝利を奪われたフィンランドメディアは「最も屈辱的敗戦」と母国を批判し「情熱的ディフェンス」と日本を称える

 今大会は来夏のパリ五輪の出場権もかかっていて、アジアの場合は最上位の国が切符を獲得する。日本を背負う覚悟と決意を込めて、渡邊はパリ行きを逃せば代表を引退する、とまで公言していた。今大会でアジア勢(他にフィリピン、中国、ヨルダン、イラン、レバノン)による初勝利をあげた日本は、暫定ながらアジアの最上位につけている。
 大黒柱の胸中を慮るように、河村はこんな言葉を紡いだ。
「雄太さんがこの大会にかける思いはみなさんも知っていると思いますし、必ずこの大会で勝って、絶対に引退させたくない思いがあります」
 チームワークという要素も踏まえながら、フィンランドメディアの『ILTA-SANOMAT』は日本に10点差で敗れた結果を「醜態」と酷評した。
「フィンランドの最終クオーターには特に失望させられた。日本戦の中継で解説を担当したクリスティアン・パロティは、ショッキングな結末をこう語った。フィンランドの近代バスケットボール史上で最も屈辱的な経験だった、と」
 フィンランド戦での勝利は、日本で開催された2006年大会(当時は世界選手権)のパナマ戦以来、実に6215日ぶりとなるW杯での白星だった。W杯でヨーロッパ勢に喫していた連敗も、五輪を含めた世界大会における連敗もともに「11」で止めた。
 しかし、まだまだ通過点とホーバスHCは次を見すえた。
「こんなゲームは経験がない。最高だ。あのパーセンテージなら私たちは危ない(チームだ)よ。勝つチャンスは絶対にある。間違いない」
 ドイツ戦の17.1%から、一気に39.3%へはね上がった3ポイントシュートの成功率を受けての必勝宣言。2大会連続6度目のW杯で、いまだ果たしていない1次リーグ突破へ。ともに1勝1敗の豪州と対峙し、勝者が自動的に2次リーグへ進む29日の大一番へ向けて、歴史的勝利を手にした日本のモチベーションはすでに最高潮だ。

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