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日本はアルゼンチンに27-39で敗れ2大会連続の8強はならなかったが、海外メディアは健闘を称えた(写真・ロイター/アフロ)
日本はアルゼンチンに27-39で敗れ2大会連続の8強はならなかったが、海外メディアは健闘を称えた(写真・ロイター/アフロ)

海外メディアはラグビーW杯でアルゼンチンに敗れた日本を「真の戦いを見せた」と称賛…SH齋藤直人の“背面キック”に「伝説になったかも」と注目

  ラグビーW杯フランス大会のプールD最終戦が8日、ナントのスタッド・ド・ラ・ボージョワールで行われ、世界ランキング12位の日本代表が27-39で同9位のアルゼンチン代表に敗れ、プールDの3位になって2大会連続のベスト8進出を逃した。格上のアルゼンチンに一時は、1点差に詰め寄る大接戦を演じた日本の健闘を海外メディアは大絶賛。英「BBC」はSH齋藤直人(26、サントリー)が見せたトリッキーな“背面キック”を取り上げて「トライにつながっていればW杯の伝説になったかも」と称賛した。

 ファカタヴァの芸術トライは「大会最終優秀トライ候補」

 

 南米の雄アルゼンチンから一度もリードを奪えなかった。プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された快足WTBマテオ・カレーラス(23)のハットトリックを含めて、前後半で5つのトライを決められたが、日本はあきらめずに食らいついた。
 2点差以内に詰め寄り、逆転を予感させた場面が4度も数えた。そのなかにはFBレメキ・ロマノラヴァ(34、NEC)が約35mの芸術的なドロップゴールを決めて20-22と追い上げ、スタンドを熱狂させた後半16分も含まれている。
 開催国フランスの高級紙『LE FIGARO』は、好カードと期待されながらも、ともに内容に乏しい消化試合に終わった先週末のフランス対イタリア、アイルランド対スコットランドと比較しながら、アルゼンチンと白熱の攻防を演じた日本を称賛した。キックオフ前で3位が確定していたイタリアは7-60で、スコットランドは14-36であえなく大敗していた。
「一度もリードを奪えなかったものの、日本は常にアルゼンチンとの僅差を保ち、最後に試合をひっくり返せる期待をファンに抱かせた。この週末に行われたフランス対イタリア、アイルランド対スコットランドとはまったく異なり、観客に真の戦いを見せつけた。後半開始直後にディフェンスのミスからマテオ・カレーラスにトライを決められ、14-22と点差を広げられなければ狂喜乱舞する瞬間が訪れたかもしれない。常にスペクタクルな日本はディフェンスを忘れ、経験豊富なアルゼンチンを相手に高い代償を支払ってしまった」
 同紙はさらに、カレーラスとともにスポットライトを浴びるべき選手として、日本のLOアマト・ファカタヴァ(28、リコー)をあげた。0-7で迎えた前半16分に左サイドのセンターライン付近から意表を突くキックを前方に蹴り、そのまま追いかけて弾んだボールを鮮やかにキャッチ。トライを奪い取ったのがファカタヴァだった。
「チリとの初戦で2トライをあげたアマト・ファカタヴァが、ロス・プーマス(アルゼンチン代表の愛称)戦で再び躍動した。第2列の選手であるにもかかわらず、ファカタヴァはウインガーと見間違えるほど華麗で、今回のW杯で最も素晴らしいトライのひとつを決めた。日本の冒険は残念ながら終わりを告げてしまったが、今大会がすべて終わったときに、日本の背番号5のプレーが最優秀トライ候補に残っているのは間違いない」
 イギリスの公共放送『BBC』は、日本のSH齋藤が見せたトリッキーなプレーを称賛した。齋藤は前半11分、アルゼンチン陣内で味方へパスをすると見せかけて、相手に背を向けた体勢から前方へのキックを選択。あうんの呼吸で飛び込んでいったレメキがキャッチし、そのまま突進した。
「相手の頭上を越える齋藤直人の巧みなボックスキックが味方のトライにつながれば、W杯における伝説となったかもしれない。カレーラスの個人技が日本のディフェンスを無力化させてしまったが、それでもスリリングな一戦で日本は最後まで勇敢に立ち向かった。常にノックアウトステージのような激しさと雰囲気を漂わせたこの試合は、フランス国内でこの週末に数多く見させられた、予測可能な戦いとはまったく異なっていた」

 

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