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ヤンキースが山本由伸との交渉で松井秀喜氏のビデオメッセージと18番のユニホームを渡す
ヤンキースが山本由伸との交渉で松井秀喜氏のビデオメッセージと18番のユニホームを渡す

ヤンキースが山本由伸の交渉に用意した松井秀喜氏のビデオメッセージと背番号「18」ユニホームは説得の“切り札”となるのか?

 オリックスからポスティングによるメジャー移籍を目指す山本由伸(25)との面談交渉でヤンキースがOBの松井秀喜氏(49)のビデオメッセージと背番号「18」のユニホームを贈ったことが21日(日本時間22日)、明らかになった。2度の面談に参加したアーロン・ブーン監督(50)が現地のチャリティイベントに参加した際に明かしたもので、「ニューヨークポスト」や「ジ・アスレチック」など複数の米メディアが伝えた。山本を巡っては、メッツ、ドジャース、ジャイアンツ、フィリーズ、レッドソックス、ブルージェイズの7球団が3億ドル(約427億円)とされる争奪戦を繰り広げているが、ヤンキースの“誠意”が決め手となるのか。

 ブーン監督「ユニホームを持っていたいかどうかは彼次第だ」

 

 ヤンキースが山本獲得に“切り札”を投入した。
 17日にニューヨークで2度目の面談交渉を行った際にヤンキースが説得の材料として持ち出したのは、現在ヤンキースでGM特別アドバイザーを務める“ゴジラ”松井氏のビデオメッセージと、今季1年、山本のために空けていた背番号「18」のピンストライプのユニホームだった。11日にロサンゼルスの山本の代理人事務所で行われた最初の面談と、今回の2度目の面談の両方に参加したブーン監督が、ヤンキースタジアムの近くで行われたチャリティイベントで明かしたもの。
 記事にした「ジ・アスレチック」や「ニューヨークポスト」によると、ブーン監督は「彼にジャージを手渡した。それを持っていたいかどうかは彼次第だ」と語り「何度か会えて話し合うことができて楽しかった。今は、それがどうなるか見てみよう。すべてのチームが一歩踏み出して交渉へ向けて最善を尽くしている。それは私の裁量を超える部分だ。どのようになるか見てみてみよう」とコメントした。
 さらにブーン監督は山本を「彼は特別な男だ」と高く評価。
「彼に存在感を感じる。あるがままでいる。自信があふれ人間らしさがある。フォーマルな場でなく本当の会話ができて彼を知ることができたのは良かった」と絶賛。彼は「偉大な選手になろうとしている」と付け加えた。
 ヤンキースには、サイヤング賞をはじめ数々のタイトルを獲得してきた大エースのゲリット・コールがいるが、ブーン監督は、2人のある共通点を指摘した。
「投げることや野球、体のことやどのように成功を収めるかについて、どのように献身的になって自己管理していくかについては、彼とゲリットの間に似たようなものがある。性格は違うが…」
 最高級の賛辞だろう。
 松井氏からのビデオメッセージの中身は明らかにされなかったが、面談の席では、山本の方からヤンキースの歴史や、レッドソックスとのライバル関係、昨季のアストロズ対ヤンキースのプレーオフでのヤンキースタジアムの雰囲気などの質問が飛んだという。ヤンキースでは、松井だけでなく、黒田博樹、田中将大、イチローらの日本人のビッグネームがプレーしている。
 ブーン監督は「彼は、松井や田中将大、イチロー・スズキを含めた日本の選手たちが成功を収めてきたヤンキースの歴史に強い関心を示している。それが彼にとって重要であることを願っている」と期待を寄せた。
 山本を巡っては、ヤンキースがマンハッタンで山本と面談する直前にメッツの大富豪オーナーであるスティーブ・コーエン氏が、自宅に招待して“ディナー交渉”。コーエンオーナーはウインターミーティングの前にわざわざ来日して、山本の家族と共に、ここでもディナー交渉をしている。
 ドジャースは、ドジャースタジアムでの面談の際、まだ入団会見も終えていない大谷翔平がフリーマンらと共に出馬して説得役を務めた。
 またジャイアンツ、レッドソックスは、3億ドル(約427億円)を超える大型契約をオファーしたとも伝えられている。
 その大争奪戦の中でヤンキースが誠意として示した“切り札”が山本の心を動かすのか。米メディアは今週にも山本が決断を下すのではないかとの見通しを伝えている。

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