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青学大の3区太田蒼生(3年)が“1時間切り”の激走でトップに立つ
青学大の3区太田蒼生(3年)が“1時間切り”の激走でトップに立つ

箱根駅伝2つの注目点…往路完勝の青学大は逃げ切れるのか…16校一斉同時スタート“大混雑”はシード権争いに影響を及ぼすのか?

 青学大の復路メンバーは、6区野村昭夢(3年)、7区皆渡星七(2年)、8区田中悠登(3年)、9区倉本玄太(4年)、10区宇田川瞬矢(2年)。補欠に松並昂勢(4年)、山内健登(4年)、白石光星(3年)、塩出翔太(2年)が残っている。
 原監督は山下りの6区で「58分30秒」を想定しており、目論見通りなら駒大が近づくのは難しい。そして順当なら出雲4区で区間賞を獲得した山内が7区に入るのだろうか(山内は6区の候補にも挙がっていた)。
 一方の駒大は、6区帰山侑大(2年)、7区赤津勇進(4年)、8区赤星雄斗(4年)、9区花尾恭輔(4年)、10区吉本真啓(3年)を登録。補欠に安原太陽(4年)、小牧波亜斗(3年)、庭瀬俊輝(3年)、伊藤蒼唯(2年)がいる。
 順当なら前回6区で区間賞(58分22秒)を獲得した伊藤と、前回7区5位&全日本6区区間賞の安原が起用されるだろう。

 両校の戦力を比較すると、駒大の方が力はある印象だ。しかし、青学大には「2分38秒」ものアドバンテージがある。さらにトップで走るときは強さを発揮するチーム。駒大といえども追いつくのはかなり難しいのではないだろうか。
 駒大としては6区と7区でいかに詰め寄るかが〝大逆転〟のポイントになりそうだ。とにかく早い段階で〝射程圏内〟にとらえたい。もし6区でほとんど差が縮まらないと、青学大が俄然、有利になる。両校の勝負はどんなエンディングを迎えるのか。
 青学大が異次元の走りを見せたことで、復路は〝大混雑〟のレースになる。トップから10分以上タイム差がある大学は一斉スタートとなるが、時差スタートは7位の創価大まで。8位の大東大から16校が同時に出走することになった。このルールが運用されてからは史上最多タイの校数だ。
 8位の大東大と15位の山梨学大は2分11秒差。その間に法大、順大、国士大、帝京大、中大、駿河台大がひしめいている。さらに往路16位の東海大はエース石原翔太郎(4年)が7区に登録されている。
「10位以内」に与えられるシード権をめぐる戦いは熾烈を極めるが、見た目の順位と実際の順位で異なるケースが多発する可能性がある。総合順位を冷静に分析しながら、レースを進める必要があり、指揮官や選手たちは例年以上に頭を使うことになりそうだ。テレビ観戦する方もアナウンサーが解説を挟むとはいえ、パニックになるかもしれない。
 交通事情を考えると一斉スタートは仕方ない部分があるだろう。
 しかし、復路は全中継所でトップ到着から20分で「繰り上げスタート」が実施されることを考えると、復路一斉スタートは「10分」から「15分」に変更しても良いような気がしている。
 第100回大会箱根駅伝の物語は半分が終わったに過ぎない。青学大と駒大の優勝争いに、シード権をめぐる大激戦。他にもドラマがありそうだ。とにかく大手町のゴールまで目が離せない。
(文責・酒井政人/スポーツライター)

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