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FC東京のバングーナガンデ佳史扶に見えた“ポスト長友”の可能性(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
FC東京のバングーナガンデ佳史扶に見えた“ポスト長友”の可能性(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

「メモ指示なんか見たことがない。準備不足の采配ミス」…コロンビア戦で浮かんだ第二次森保Jの“光と影”を城彰二氏が指摘

 

「何も変わっていないじゃないか?」
 コロンビア戦の逆転負けに熱いサポーターの間からは、そんな声が出るのかもしれない。しかし、今は勝敗は関係なくテストの段階。長い目でチームを見守ってもらいたい、というのが私の本音だ。
 森保監督は、ウルグアイ戦から大きくメンバーを変えてきた。ワントップに町野を使い、2列目に三笘、西村、伊東を並べ、ボランチが守田と鎌田のコンビ。左サイドに代表初招集となるバングーナガンデ、右サイドには菅原、CBコンビは、伊藤と板倉で、先制点は森保監督が理想とするような形で取った。
 開始3分。町野がエリア内で起点となってボールをタメてからパスを出し守田がゴール前に正確なクロス。そこに三笘がピンポイントでヘッドを合わせた。だが、ここから先の試合の進め方がうまくいかなかった。町野のポストプレーも先制点を演出した場面だけ。
 Jリーガーゆえの“壁“が見えた。焦りからか我慢できずにボールに寄ってしまうので、潰されるケースが目立った。海外の選手は足も長くフィジカルも強い。ボールを迎えにいくのではなく、体を張って抑えないとボールをコントロールできないのだが、国内だけのプレー経験では、その駆け引きもわからないのだろう。いい経験にはなったと思うが、後半から入った上田も含めてポストプレーのできるFW不在という問題点が残った。
 森保監督は“遅攻”からのビルドアップをこの2試合のテーマにしていたが、それには起点となれるFWが不可欠。残念ながら、その適材はまだ見つかっていない。今なお大迫を超えるポストプレーのできるFWが出てこない。今後、発掘していかねばならない“宿題”である。
 世代交代をはかったディフェンスの問題も露呈した。
 前半33分に同点に追いつかれた場面は、左サイドで板倉がマチャドに振り切られ、マイナスのアーリークロスに反応して走り込んできた19歳のコロンビア期待の若手デュランにゴールを決められた。中に人数はいたが、鎌田とバングーナガンデが寄せ切れなかった。一瞬の隙と球際の弱さ。経験不足で片づけられる問題ではない。
 勝ち越しを許したのは、久保と瀬古を投入した直後の後半16分。エリア内を狙ったカウンターのロングボールを争った瀬古が、デュランを倒してしまいシュートを放たれた。シュミットが前に出てセーブしたが、そのこぼれ球をボレがガラ空きのゴールへオーバーヘッド。GKの判断は仕方ないが、ここも、瀬古の経験不足と球際の弱さが招いた失点。後半からコロンビアにチェンジペースされ、パスの精度が上がり、テンポが速くなると、ついていけなくなった。
 後半に投入されたのが、久保、堂安らの守備意識が高いとは言えないメンバー。堂安も前へ行きたいタイプで、中盤が間延びしていたし、後半から入った遠藤が、後ろに重心をかけたため、バランスとして受けに回り、後手を踏んでコロンビアに主導権を握られる形になってしまった。

 

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