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男子体操の種目別で2つの金メダルを獲得したフィリピンのカルロス・ユーロは最も手厚い報奨を手にしたメダリストだ(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
男子体操の種目別で2つの金メダルを獲得したフィリピンのカルロス・ユーロは最も手厚い報奨を手にしたメダリストだ(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

パリ五輪で各国メダリストは“劣化メダル”以外にどんな報奨を手にしたのか…最高額は1億円でラーメン生涯無料券や鉄道乗り放題から大学の単位まで

 パリ五輪の“劣化メダル”の問題が尾を引いているが、各国のメダリスト達は母国から金メダル以上の数々の報奨を手にしている。米CNNがこのほどまとめたところによると、最高額は香港の1億円で、他には、高級車、マンションから、ラーメン生涯無料券、鉄道生涯乗り放題、無料の結婚式写真まで様々なボーナスがメダリストに贈られている。

 ウズベキスタンは高級米車「シボレー・タホ」を贈呈

 パリ五輪のメダリスト達が手にしたものは、劣化問題で物議を醸すメダルと公式ポスターの入った不思議な箱だけではない。各国は国の英雄に様々なボーナスをプレゼントした。CNNによると40か国以上が、報奨を用意し、25か国以上が10万ドル(約1440万円)以上の報奨金を与えた。

 報奨金の最高額は香港で、フェンシング男子フルーレのチャン・カロンと、同女子エペのビビアン・コングの2人の金メダリストには、香港ジョッキークラブの支援のもと、600万香港ドル(約1億円)が贈られた。またメダリスト全員に香港大手鉄道会社から生涯乗り放題のチケットがプレゼントされた。
 報奨金はアジアが高額でトップ10のうち6か国を占めており、まだ金メダリストが誕生しておらず、今大会はメダルゼロに終わった石油産国のサウジアラビアは、500万リヤル(約1億9000万円)を用意していたという。東京五輪の空手で銀メダルを獲得したタレグ・ハメディは、一夜にして億万長者になっている。
 セルビアは金メダルで20万ユーロ(約3220万円)、イタリアは同18万ユーロ(約2900万円)、米国は同3万7500ドル(約540万円)。
 ちなみに日本はJOC(日本オリンピック委員会)が金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円を非課税で支払い、これとは別に競技団体別に報奨金が出される。日本ゴルフ協会では金メダルで2000万円だ。
 フィリピンは盛大だった。
 男子体操の種目別ゆかと跳馬で2つの金メダルを獲得したカルロス・ユーロには、政府が1000万ペソ(約2500万円)、さらにマルコス大統領が2000万ペソ(約5000万円)を追加して計3000万ペソ(約7500万円)を手にした。
 それだけではない。「国民的英雄」として大パレードで帰国を迎え入れられマニラ首都圏で最大のマンション造成地マッキンリーヒルに家具つきの3ベッドルームの1600万ペソ(約4000万円)相当のマンションに加え、無料の大腸内視鏡検査、ミンダナオ大は大学の単位、大手レストランチェーンによるラーメンの生涯無料券、マカロニ&チーズ、チキンの生涯無料券、無料の結婚式写真、無料の散髪までをゲットした。
 韓国の金メダリストには約5万ドル(約720万円)の報奨金と兵役免除。カザフスタン、タジキスタンはアパート、イラクは、サッカー代表チームと重量挙げのアリ・アメル・ヤセルに五輪出場権を獲得したことに対して土地と報奨金が提供された。
 ウズベキスタンは、メダリストに高級車が贈られた。男子ボクシングで5人の金メダリストを輩出するなど、計8人の金メダリストが生まれたが、8万ドル(約1150万円)相当の高級米車「シボレー・タホ」が提供され、ルーマニアは資産家で同国のテニス連盟会長も務めたイオン・ティリアックがメダリスト全員に韓国車を提供した。
 またポーランドもメダリストへのフォローが手厚く、金メダリストには約925万円の報奨金だけではなく、ワルシャワ市内の約3300万円相当の2部屋があるマンション、絵画、ダイヤモンド、約37万円分の旅行券と休暇が贈られた。
 涙と汗の結晶は、決してメダルだけではないのである。

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