
阪神痛恨のバッテリーサインミスはなぜ起きたのか…絶対的セットアッパー石井不在の穴を緊急昇格させたビーズリーで埋めることができず今季初のサヨナラ負け…3連敗で首位陥落
前出の評論家も、「左対右になるが、石井がいないのだから岡留より先に島本で良かったのではないか。島本は、昨年対右打者には.333と打たれているが、こういう場面を乗り切る経験がある。満塁ではどうしても攻めが窮屈になってしまい、彼の持ち味が出しにくい」と指摘した。
7、8回を及川。9回は桐敷が二死満塁のサヨナラのピンチを迎えたが、山本のまさかの二死からのセーフティースクイズの失敗などに助けられて無得点に抑え、10回には、前日のゲームで難病から522日ぶりに復帰したばかりの湯浅を連投までさせて、無失点リレーを続けたが、最後に石井不在の2度目のほころびが露呈してしまう。
藤川監督は石井不在を嘆かずに「いる選手がしっかりと力を発揮する必要がある」とコメントしたそうだが、そのいる選手をどう使うかの用兵も重要になってくるだろう。
また攻撃でもミスがあった。9回に中日のクローザー、松山から先頭の前川が右中間フェンスを直撃する二塁打で出塁し、勝ち越し機をつかんだ。だが、続く坂本はバントを試みたが、2球続けてフォークに空振り。ベンチはバスターに切り替えたが、またフォークにバットが当たらず三振に倒れ、走者を三塁へ送ることができなかった。すべてが結果論になるが、ここはスリーバントを強行させる選択肢はなかったか。
前出の評論家は、「坂本は体が固まってしまっていたのであのフォークにバントではバットに当たらないと思う。強行策で間違いではなかったと思うが、絶対になんとかしなければならない場面だった」という意見。
続く小幡の代打、糸原がレフト前ヒットを放っただけになおさら悔やまれるミスだった。結局一死一、三塁から、松山の鬼気迫る投球の前に代打木浪、近本が連続三振。延長10回にも二死一、二塁のチャンスを作ったが、代打楠本が投ゴロに倒れるなど1点が遠かった。
4連敗だけは阻止せねばならない。阪神は出遅れていた大竹を今季初先発のマウンドに送る。対する中日はソフトバンクを戦力外となり育成から這い上がってきた三浦。藤川監督が語るように「攻める姿勢」がポイントになるのかもしれない。