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計量をパスした井上尚弥とカルデナスがフェイスオフ(写真・山口裕朗)
計量をパスした井上尚弥とカルデナスがフェイスオフ(写真・山口裕朗)

今日米ベガス決戦ゴング!「挑戦者が井上尚弥に勝つことはトランプ大統領がローマ教皇の葬儀で喝采を受けるくらいの絵空事だ」海外メディアはモンスターの6ラウンドまでのKO決着を支持

 プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)がいよいよ今日4日(日本時間5日)米ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBA同級1位のラモン・カルデナス(29、米国)と防衛戦を行う。前日計量は互いに一発でパスした。海外メディアは。井上の勝利を全面支持。ブックメーカーのオッズはほぼ元返し、カルデナスの勝利は13倍から16倍という大差がついている。

 「井上を倒すにはビッグショットで綺麗に捕まえることが必要」

 前日計量はスポーツベッティングが合法のラスベガスらしい演出だった。大会スポンサーにも名を連ねているブックメーカー「ドラフトキングス」の勝利オッズが、公開計量の秤の正面に電光掲示されたのだ。カルデナスの勝利が+1500(16倍)、続いて秤にのった井上の勝利ほぼ元返しの-5000(1.02倍)である。
 海外メディアも井上の絶対的な勝利を支持した。
 米CBSスポーツが掲載したオッズは、もっと差があり、カルデナス勝利が18倍で井上勝利が1.01倍。
「日曜日に誰が勝利を収めるかに疑いの余地はない。カルデナスが勝てば、ボクシング の世界がひっくり返るだろう。カルデナスの問題は、彼がビッグパンチャーではないということ。井上はエリートパンチ力を超える優れたボクサーであるため、倒すにはビッグショットで彼をきれいに捕まえることが必要だ」
 カルデナスはWBA1位で27戦26勝(14KO)1敗のボクサーファイター。「地獄のパンチを持つ男」の異名を持ち、3戦前になる昨年2月にはWBC中米カリブスーパーバンタム級王座決定戦でイスラエル・ロドリゲス・ピカソ(メキシコ)の顎を右のカウンターで粉砕して6ラウンドTKO勝利した。プロ13戦目に判定で1敗しているが、減量苦でのコンディション不良が原因で、以降14連勝中で、8年間負けはない。前戦は2月のブラインアン・アコスタ(メキシコ)戦で、テンプルにパンチを浴びてダウンを喫したが、なんとか3-0判定で勝ち切った。アコスタは、井上が2023年3月にWBO&WBC世界スーパーバンタム級王者、スティーブン・フルトン(米国)へ挑戦する際のスパーリングパートナーだった。
 ただCBSスポーツの見解通り、一発で仕留めるまでのパンチ力はない。
「カルデナスがどこまでやれるか。彼の1敗はKO負けではないが、井上の爆発的な攻撃に12ラウンドまで耐えられる可能性は低い。彼は井上が前戦で戦ったキム・イェジュン(韓国)よりも正当な相手と対戦してきたが、井上に近い実力の相手と戦ったことはない。井上には再び相手を吹き飛ばすことが期待されている」
 そういう見方を示し、井上のKO勝利オッズが1.12 倍であることを紹介した。
 英の専門サイト「ボクシングニュース」も井上勝利を強調した。
「カルデナスの陣営以外の誰かが、彼が前戦のアコスタ戦から、井上を倒すために飛躍できると確信することは、(紺の喪服で参列した)トランプ大統領がローマ教皇の葬儀でスタンディングオベーションを受けるのと同じくらいの絵空事だ」
 さらにこう続けた。
「ボクシングファンは、井上の勝利の方程式を知っている。猛烈なスピード、まるで外科手術のような精度、骨を砕くパワー。この歩く悪夢は、カルデナスよりもはるかに手強い相手を倒してきた。カルデナスは、その決意にもかかわらず、誰もが登ることに成功していない大きな山に直面している。29試合で26回のKO勝利は彼の進化の証だ。カルデナスの任務は、ラウンドを経るごとに難しくなる。ただ2024年5月のルイス・ネリ(メキシコ)戦で、自信過剰となった井上は1回にダウンを喫した。その稀なミスは、希望の光だ。カルデナスがその井上の傲慢さを利用するのは、綱渡りのようなもの。カルデナスは逆境を打破しなければならない」
 鋭い指摘だろう。

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