
「フェルスタッペンに比べてツノダのペースに大きな失望」レッドブル角田裕毅に英専門メディアが20人中17番目の厳しい“番付け”評価…本人は「可能性を解き放つ余地はある」と前向き
F1の今季第6戦、マイアミGP決勝で5秒のタイムペナルティーを科されながら、10位入賞を果たしたレッドブルの角田裕毅(24)に対して、英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』が6日、出場したドライバー20人中で17位と厳しい評価を下した。エースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)よりペースが遅い点が問題視された。角田もオランダのF1専門メディア『GP BLOG』で、王者との差を認めた上で「自分の可能性を解き放つ余地はまだまだある」と今後の巻き返しを誓った。
マイアミGPでは10位入賞も
マイアミGPで10位入賞を果たした角田に、厳しい評価が下された。
角田は同GP決勝の28周目にピットインした際に、ピットレーンでの速度違反が確認されて5秒のタイムペナルティーを科された。レース終盤には10位入賞を巡り、姉妹チームのレーシングブルズのルーキードライバー、アイザック・ハジャー(20、フランス)との一騎打ちとなり、最終的には5秒168差で逃げ切った。
タイムペナルティーを加算すれば0秒168差。僅差で10位を死守した角田を、英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』は一刀両断した。
同メディアはレースごとに、英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』のF1担当編集長、エド・ストロー氏によるドライバー20人の独自のランキングを発表している。マイアミGPで角田は17位。フェルスタッペンの3位だけでなく、ハジャーの9位よりもはるかに低く評価した角田へ、ストロー氏は次のように言及した。
「Q3には進出したものの、ラップタイムがQ2とほとんど変わらなかったツノダは明らかに困惑していた。決勝では5秒のピットレーン速度違反ペナルティーを不注意に受けながら、ハジャーと十分な距離を保ち、10位のポジションを維持した。しかし、レッドブルのマイナーなフロアアップグレードがなかった点を考慮しても、ツノダのペースはフェルスタッペンと比べて大きな失望を与えるものだった」
5年連続のドライバーズ王者を狙うフェルスタッペンとの差が、イコール、自らの存在価値を示すバロメーターになる。その観点で終わったばかりの今季第6戦、マイアミGPを振り返れば、まだまだ大きな差が顕在している。
3日のスプリントでは、6位入賞を果たして3ポイントを獲得した角田に対して、フェルスタッペンは完走したマシンでは最下位となる17位だった。もっとも、このときはフェルスタッペンがアンセーフリリースで10秒のタイムペナルティーを科されていた。角田は10位でフィニッシュした後に、フェルスタッペンを含めて、タイムペナルティーを科された4台のマシンを抜いて6位へと繰り上がった。
続けて行われた公式予選で、角田はQ2を1分26秒959の9位で通過。1分26秒643で5位だったフェルスタッペンに0秒316差と迫った。しかし、Q3ではフェルスタッペンが1分26秒204で日本GP、サウジアラビアGPに続く今季3度目のポールポジションを獲得。10番手だった角田との差は逆に0秒739に開いた。
決勝でフェルスタッペンは今季絶好調のマクラーレン勢、オスカー・ピアストリ(24、豪州)とランド・ノリス(25、英国)だけでなく、メルセデスのジョージ・ラッセル(27、英国)にも抜かれて4位に終わった。
一方の角田も、タイムペナルティーを差し引いてもフェルスタッペンに29秒478もの大差をつけられた。決勝後のフラッシュインタビューで「ポイントを獲得できたのはうれしいけど、自分のペースにはまだまだ満足していない」と語った角田自身が、現時点でフェルスタッペンに遠く及ばないと認めている。