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井上尚弥が「フェザー級が限界」と今後の階級アップについて考えを明かす(写真・山口裕朗)
井上尚弥が「フェザー級が限界」と今後の階級アップについて考えを明かす(写真・山口裕朗)

「フェザー級が限界」井上尚弥が米「リング誌」に史上3人目の6階級制覇は目指さない考えを明かす…「身長が1m70なら話は違ってくるが…」

 プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)が5階級制覇となる「フェザー級が私の限界」と明言したと米老舗雑誌「ザ・リング」が伝えた。井上は12月にサウジアラビアでWBA世界フェザー級王者、ニック・ボール(28、英国)に挑戦する計画が進んでいるが、日本人初となる5階級制覇が最後でボクシング史上3人目となる6階級制覇への挑戦は目指さない方針だという。

 

「もっと上に行くことは考えられない。フェザー級が私の限界だ」
「リング誌」が井上の肉声をこう伝えた。
 5月4日(日本時間5日)に米ラスベガスでWBA1位のラモン・カルデナス(米国)と対戦、2回にダウンを奪われたものの8回に逆転TKO勝利。メキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」ウィークでは、ライアン・ガルシア(米国)がダウンを奪われて判定負け、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)が判定勝利でスーパーミドル級の4つのベルトを再びまとめたが、山場のない試合内容で、ボクシングファンを失望させた。その中で“トリ”を務めた井上が異彩を放った。
 評価が急上昇する中、井上の次戦は9月14日に名古屋でWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との王座統一戦を行うが、それをクリアすると、3年30億円の大型契約を結んだ「リヤドシーズン」の本拠地であるサウジアラビアで、1階級上のWBA世界フェザー級王者のボールに挑戦する。ボールのプロモーターである「クイーンズベリー・プロモーション」のフランク・ウォーレン代表も、英専門メディア「ボクシングニュース」の取材に答え、「やる気満々の井上陣営」との予備交渉がスタートしたことを明かしている。
 だが、ライトフライ級から始まった井上の挑戦は、その日本人初となる5階級制覇となるフェザー級が最後となりそうだ。
「これ以上(階級を)上に上げることに興味がない。もし私が1m70の身長だったら話は違ってくるでしょう。しかし、フレーム単位でどれだけの肉体を構築できるかには限界がある。スーパーバンタム級でも私は一つ一つ筋肉をつけ体格を構築して挑戦している」
 そう説明している。
 井上はカルデナス戦の前日計量後のインタビューで、すでにこの考えを明かしていた。2度拳を交えた元5階級制覇王者、ノニト・ドネア(フィリピン)をゲストに迎えたESPNの放送席で、女性司会者が、「ここまで(4階級)体重を上げてきましたね。限界としてどこまで上げられますか?」と問うと「最終目標としてひとつ上のフェザー級には、チャレンジしていきたいと思っています」と回答した。
 またカルデナス戦後の会見でも「スーパーバンタム級が適正階級。この階級でやれるまでやりたい」とも明かしている。
 大橋秀行会長は、オスカー・デラホーヤ(米国)、マニー・パッキャオ(フィリピン)が持つ史上3人目の6階級制覇王者への挑戦となるスーパーフェザー級までは「十分にいける」との考えを持つ。井上は、実際、スパーリングでは、ライト級の選手を問題にしていない。だが、身長1m65と上背のない井上は、フェザー級以上では、パフォーマンスを発揮できないと実感しているのかもしれない。

 

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