• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 「なぜ違和感のあった佐々木朗希に無理をさせたのか疑問」米メディアが“無期限”負傷者リスト入りの佐々木の背景にあるドジャースの対応を問題視…「完成品ではなかった」の厳しい声も
ドジャースの佐々木朗希がわずか8試合の先発でインピンジメント症候群による負傷者リスト入り(写真・AP/アフロ)
ドジャースの佐々木朗希がわずか8試合の先発でインピンジメント症候群による負傷者リスト入り(写真・AP/アフロ)

「なぜ違和感のあった佐々木朗希に無理をさせたのか疑問」米メディアが“無期限”負傷者リスト入りの佐々木の背景にあるドジャースの対応を問題視…「完成品ではなかった」の厳しい声も

 ドジャースの佐々木朗希(23)が13日(日本時間14日)、右肩のインピンジメント症候群のため15日間の負傷者リストに入ったことを球団が発表した。佐々木は日米通じて初の中5日で9日(同10日)のダイヤモンドバックス戦に先発したが、平均球速が152.6キロしか出ずに、2被弾3失点し、試合後に痛みを訴えた。5月28日に再登録できるがデイブ・ロバーツ監督(52)は無期限のリハビリに入ることを明かした。米メディアは「ロウキは完成品ではなかった」などの厳しい声と共に数週間前から違和感を訴えながら無理をさせたドジャースの対応を疑問視した。

 平均球速が急落した異変

 

 やはり佐々木はパンクした。
 ロッテ時代に一度も規定投球回数をクリアしたことがない。巨人OBでヤクルト、西武で監督、ロッテではGMも務めた広岡達朗氏が「佐々木はガラスのエース。体ができていない状態であれだけのボールを投げると故障につながる。そこが心配だ。ドジャースは中4日では起用しないそうだが、今の佐々木がメジャーの間隔でローテーを守るのはとても無理」と警告していたが、わずか8試合の先発で、5月上旬に戦線離脱した。チームは3Aから32歳のベテランJ.P.ファイアライゼンを昇格させた。
 MLB公式サイトによると、佐々木が痛みを訴えたのは、9日のダイヤモンドバック戦の登板後。この試合で佐々木のストレートの平均球速は94.8マイル(152.6キロ)まで低下し、92マイル(148キロ)しか出ていないものもあり、そこまでの平均球速より1マイル(約1.6キロ)以上も低下。4回を投げてメジャーキャリアで初めて三振をひとつも奪えなかった。12日にMRI検査を受けたところ右肩のインピンジメント症候群が判明した。右肩を動かす際に起きる関節の衝突や摩擦で痛みや違和感が起こる故障。ロバーツ監督によれば「昨年(ロッテ時代)にも似た症状があった」という。佐々木は昨季ロッテで「上肢のコンディション不良」などで4度も登録抹消されていた。
 またロバーツ監督は「私は(復帰の)タイムラインがないことを非常に明確に伝えた。大事なのは、彼が健康で強く、投球の感触が良く、我々のためにピッチングをしてくれるということだ」と、無期限の負傷者リスト入りであることを明かしている。
 カブスとの東京シリーズの第2戦でデビューした佐々木はここまで8試合に先発したが、投球回数は34回3分の1で、1勝1敗、防御率4.72の成績に留まっていた。
 米メディアの受け取り方も辛辣だ。
 米ヤフースポーツは、ここまでの登板内容を紹介した上で「すべてが佐々木がMLBに移籍した際に多くの人が期待していたよりもはるかに悪いものだ。佐々木は、ポール・スキーンズ、スティーブン・ストラスバーグ以来最も注目されたプロスペクトの1人としてMLBに参入したが、彼がチームメイトの山本由伸のように完成品として移籍したわけではないことが一層明らかになってしまった」と評した。
 さらに「佐々木がすでに破綻しているということではない。まだ23歳。ドジャースの育成システムに沿い、メジャーの打者に順応するための最初の数か月だ。ILの期間は、怪我への対応であると同時にマイナーへの降格を避けるための適切な期間になるのかもしれない。ただどれも理想的ではない」と記した。
 米CBSスポーツも「今季8試合に先発した佐々木は、34回1/3で、四球(22)と三振(24)とほぼ同じで防御率4.72。彼の速球はピーク時の速度でも痛打されている。彼の速球に対する空振り率は、わずか10.1%でリーグ平均の空振り率21.3%の半分以下。明らかにこの若者は完成品にはほど遠い」と厳しく指摘した。

 

関連記事一覧