
「多くの人が中谷潤人は井上尚弥を倒せる男だと言っている」大物プロモーターのボブ・アラム氏が来年5月東京ドームでのスーパーファイトを「カネロvsクロフォードより面白い」と評価
「私は井上は、パッキャオよりも大きなスターだと思う、なぜなら、パッキャオは、モラレスやマルケスとの対戦では苦労した。彼の井上のような試合を続けることができなかった。対して井上は、次々とノックアウトをしてきた。彼は、ただ勝つだけではなく、必ず相手をノックアウトするんだ。私はこのような一度もファンを裏切らないノックアウトファイターを見たことがない」
46歳にして、4年ぶりに現役復帰を決め、いきなり7月19日にWBC世界ウエルター級王者のマリオ・バリオス(米国)のタイトルに挑戦することが決まっている“レジェンド”のパッキャオをかつてアラム氏はプロモートしていた。そのキャリアの中では、エリック・モラレス(メキシコ)、ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)に敗戦するなど、井上のようなパーフェクトレコードではなかった。
アラム氏はさらに2人の“レジェンド”とも比較してモンスターを絶賛した。
「マービン・ハグラー(元ミドル級の3団体統一王者)は凄まじいパワーを持っていたし、トミー(史上初の5階級制覇王者のトーマス・ハーンズ)もパワーを持っていた。でも井上とは全然違う。彼は次から次へと戦って相手を倒すことができるんだ。そしてノックアウトで説得力のある勝利を収める」
カルデナス戦では2回にダウンを奪われるものの8回に逆転TKO勝利。「シンコ・デ・マヨ」ウィークでは、カネロもダウンシーンのない“塩試合”で、“問題児”のライアン・ガルシア(米国)も判定負けするなど「しょっぱい試合」が続いていた中でモンスターは異彩を放った。そこがアラム氏には魅力らしい。
またアラム氏は井上が目論むフェザー級への挑戦についても触れた。井上ーカルデナス戦のアンダーカードで7回TKO勝利で防衛に成功したWBO世界フェザー級王者、ラファエル・エスピノサ(メキシコ)の名前をあげて「彼は井上の2倍の大きさだ。それは本当に面白い戦いになるだろう」と対戦の可能性を示唆した。
2倍は大げさだが、エスピノサは1m85の異例の長身選手。1m64の井上との対戦が実現すれば、そのギャップが話題を集めるだろう。エスピノサはトップランク社の契約選手であり、ラスベガスでの試合後には「井上選手との対戦が目標」と対戦をアピールしていた。
フェザー級王者からのラブコールは相次いでいる状況で、24日に大阪で亀田和毅(TMK)を2-0判定で振り切ったIBF世界同級王者のアンジェロ・レオ(米国)も「オレのスタイルなら井上を倒せる。来年でもいい、階級を上げて来た段階にいつでもできる」と対戦を熱望していた。
井上は、日本時間ではカネロvsクロフォード戦と重なる9月14日に名古屋でWBA世界スーパーバンタム級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30、ウズベキスタン)と対戦予定。それをクリアすれば、12月に3年30億円の大型契約を結んだ「リヤドシーズン」の本拠地サウジアラビアでWBA世界フェザー級王者のニック・ボール(英国)へ挑戦することが計画されている。アラム氏が「カネロvsクロフォード以上に面白い」と評価した中谷とのスーパーマッチまでにファン注目のビッグマッチが2つ続くことになる。