
JBCの大スキャンダルが発覚!有名リングアナや世界戦レフェリーら複数の職員が結託して休日手当を不正受給の疑い…3人を懲戒解雇の方針…記者の直撃取材に当事者の1人はどう答えた?
日本ボクシングコミッション(JBC)の複数の職員が5年以上にわたり結託して職場のタイムカードを不正に操作して休日出勤手当を不当に請求して受給していた疑いがあることが26日までに明らかになった。JBCでは、すでに対象職員からの事情聴取などを終えており、内部調査によると不正受給額は総額で3、400万円に及ぶという。内部調査が終了次第、懲戒解雇処分を下す方針だ。
勤務時間内に競馬三昧…の就業規則違反も
前代未聞のスキャンダルだ。
5人のJBC職員が結託して、その時間に出勤していない人物のタイムカードを代わりに打刻する不正行為を続けて、土日、祝日の休日出勤の手当を5年以上にわたって水増し請求して、不正に受給していたことが発覚したのだ。第1報は、毎日新聞のスクープ。すでに一部週刊誌などが取材に動いていたJBC内の問題が、ついに表面化した。
発覚の発端は、職員からの内部通報だった。
2月24日に行われたWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(M.T)、WBA世界同級王者堤聖也(角海老宝石)対比嘉大吾(志成)、那須川天心(帝拳)対前WBO世界同級王者ジェイソン・モロニー(豪州)の公式会見が行われた2月22日(土曜)、前日計量が行われた23日(日曜)の2日間にわたって、不在の職員のタイムカードが打刻されていたことや、他の職員が代わりに打刻するため3枚のタイムカードを机の上に並べていたことなどを目撃したため、不審に思い、内部通報した。
JBCは、内部調査をスタート。過去のタイムカードの打刻時間と、事務所内に設置されている防犯カメラによる映像を照らし合わせたところ、一人の職員が不在の他の職員のタイムカードを打刻している様子が複数回にわたって確認された。
不正操作されたタイムカードには、わざと数分間、時間をずらして打刻したようなものもあり、そのほとんどが、土日、祝日出勤した職員の全員が、9時から17時まで勤務したことになっていた。
対象の5人から事情聴取したところ一部の職員を除き、大筋で不正を認めた。事務局の備え付けの各自のパソコン内のメールをチェックしたところ「タイムカードを押しておきました」「ありがとう」などの証拠のやりとりも残っていたという。
また5人のうち2人の職員は、土日の出勤時に競馬の予想紙を机の上に広げて、JBC事務局内のテレビを見ながら競馬に没頭している様子も映像に多く残っていた。これも、就業規則違反の行為。ちなみに事務局のある隣のビルが後楽園の場外馬券売り場。
1人は聞き取り調査に対し、「予想は前の日の夜にやっていて投票はスマホでやっているので数分だけです。あとは事務作業をしていました」と釈明したという。
JBCでは、平日は10人の職員が勤務しているため、代役でタイムカードを打刻することは不可能だが、土日、祝日は、2人出勤が基本で、出勤する職員が限られているため、5人が結託してタイムカードを不正操作すれば、それが発覚することはなかった。首謀者は不明だが、勤務時間を水増しで架空請求する悪質な不正行為は、5年以上前から行われて常習化していたと見られている。