
元K-1王者vs元ムエタイ王者の異色世界戦!WBOバンタム級王者の武居由樹は「一方的な試合を見せる」と強気宣言…リング上の勝利マイクでビッグマッチ構想を明かすことも約束
プロボクシングのWBO世界バンタム級王者の武居由樹(28、大橋)が同級7位のユッタポン・トンデイ(31、タイ)を迎え討つV2戦(28日・横浜BUNTAI)の公式会見が26日、横浜市内で行われ「いい試合をするつもりはない。一方的な試合を見せたい」と豪語した。那須川天心(26、帝拳)との対戦など“今後”についての発言は封印しているが、勝利後のリング上のマイクパフォーマンスで自らが求めるビッグマッチを発表することを明らかにした。また今日27日のの前日計量が会場である横浜BUNTAIで一般ファンへの公開で行われることも発表された。
「いい試合をするつもりはない」
異例と言っていい。
「足立区から来ました武居由樹です」の挨拶が定番で、礼儀正しく、相手を挑発することも大言も吐くことのないWBO王者が、公式会見で超強気発言をした。
「いいオーラがあり強い選手だと思いますよ。でも初のメイン。いい試合をするつもりはない。ただ一方的な試合を見せたい」
会見後の囲み取材で強気発言の理由を「自信なのか?意気込みなのか?」と聞かれた。
「両方。ここまで調子よくこれたので自信もある。意気込みの部分でもそう言わせてもらった」
そしてこう続けた。
「タイ人って質問されてもノラリクラリ言うんで、あれに巻き込まれないという意味でも、ズバッと言った。ここからもう戦いが始まっているんです。ちょっかいを出さないと」
15戦15勝(9KO)無敗のタイ人へ心理戦を仕掛けたのだ。
実は、ユッタボンが、ムエタイで1000戦以上の経験があり、2大タイトルのひとつであるラジャダムナンの王者だったことも来日時に判明し、元K―1王者である武居に衝撃を与えた。
幼い頃にタイ人のトレーナーに「セミを食べさせられかけたり、プラスチックの棒でひっぱたかれて怖い思いをした」とのトラウマがある。
「今日は隣にしていじめっ子感はなかった」と、報道陣を笑わせたが、K―1時代にもタイ人にはKO勝ちができなかった苦手意識がある。
ユッタポンの公開練習では大橋会長が「キックなら武居は勝てないと言っているんだけど、キックならあなたは勝てる?」と異例の直撃取材を敢行したほどだった。だから武居は公式会見の段階から心理戦を仕掛けたのだ。
「キックはルールによるんですよ。ムエタイは肘打ちあり、首相撲ありなんですが、僕はやったことがないので。K-1ルールならまた違ってきますけどね。K-1時代にはタイ人のリズムに巻き込まれたという反省点がある。ユッタポンはアマっぽい動きもするんで、やりにくさもあるのかもしれない。でも、ボクシングとキックは別のジャンル。今までの経験を踏まえて、タイ人の独特のリズムに巻き込まれないように自分の動きを見つけていけたらKOできる」
そう説明した。
ユッタポンはアマ経験も豊富でアジア大会で金メダルを獲得して、国際大会では、2つの五輪金メダルを獲得している元WBO世界フェザー級王者のロベイシ・ラミレス(キューバ)に勝ったこともある。好戦的でパンチは多彩だが、上背はなく、武居との身長差は10センチはある。そこがつけいる点。
「思ったより小さかった。それがやりにくいのか、やりやすいのかわからない。遠いところでやりつつ(こっちの)パワーがあるなら潰しにいくスタイルも考えている。始まってみて雰囲気に合わせたい」