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一夜明け会見のWBO世界バンタム級王者の武居由樹と大橋秀行会長(写真・山口裕朗)
一夜明け会見のWBO世界バンタム級王者の武居由樹と大橋秀行会長(写真・山口裕朗)

“なりすまし記者”井上尚弥が乱入して聞き出した「武居由樹vs那須川天心」のビッグマッチの実現可能性とは?

 では、武居が求める「もう1本のベルト」は誰なのか。前日の試合後会見で武居は天心の名前はあえて出さずに「天心?彼はまだチャンピオンじゃないので。別にいいかな。まあ(世界獲りを)応援しています」と上から目線で突き放した。
 だが、井上の的を射た質問は、武居の本音を引き出した。その舵取りをする大橋会長は、堤の対戦要求に「いつでもやってやる」「中谷はやめとこ」としてからこう続けた。
「オレは天心だね。ファン目線でね」
 これが本音だろう。
 武居も「ファンの声は大事にしたい。この選手(との対戦)を見たい。それに応じたい」と同調した。
「天心にメッセージは特にないが、試合は普通にファンとして見に行きたい」
 6月8日の中谷ー西田戦のアンダーカードで、天心はWBA同級6位のビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)と世界前哨戦を戦う。武居は有明を観戦に訪れることを約束した。天心は中谷と西田のどちらが勝っても返上すると見られるWBCのベルトの王座決定戦に照準を絞っていると考えられている。時期は11月。そのサンティリャンは、武居と同じサウスポー。天心は前戦では武居がベルトを奪ったジェイソン・モロニー(豪州)に判定勝利しており、両陣営の思惑も含めて武居ー天心戦に向けての物語がスタートしているのは間違いない。
 また堤のラブコールに応えられない事情もある。堤の休養王者に伴って暫定じから正規王者となったアントニオ・バルガス(米国)と前戦で堤と引き分けた比嘉大吾(志成)の世界戦が7月に横浜で予定されており、堤はその勝者と王座統一戦を戦わねばならない。さらにその勝者との世界戦のオプションを大橋陣営が握っていて、前王者の井上拓真に王座奪回チャンスを与えたいとの構想があるのだ。
 武居が指名試合をクリアし、天心が世界前哨戦に勝ち、WBCのベルトを手にすることが条件で、武居ー天心が実現するのは早くても来春。ちょうど5月に東京ドームで井上と中谷のスーパーマッチが計画されているが、そこには組み込まれず、別立てのビッグイベントとして計画されるという。

 

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