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WBA世界バンタム級王者となった井上拓真が幼い頃から住んでいる座間市の市民栄誉賞を受賞した
WBA世界バンタム級王者となった井上拓真が幼い頃から住んでいる座間市の市民栄誉賞を受賞した

座間市民栄誉賞の井上拓真が「兄より早く4団体を統一したい」と”尚弥超え”を宣言…V1戦候補の1人に兄因縁の元世界王者が浮上

 プロボクシングのWBA世界バンタム級王者の井上拓真(27、大橋)が1日、座間市の市民栄誉賞を受賞、神奈川県の座間市役所で表彰式に臨んだ。拓真は4月8日に有明アリーナで行われた同王座決定戦でリボリオ・ソリス(41、ベネズエラ)を3―0の判定で破り新王者となった。その功績が評価されたもので、兄の尚弥(30、同)が2014年に受賞して以来、2人目の受賞。拓真は、兄が4年8か月をかけて達成した4団体統一を「兄より早く達成したい」と宣言した。指名試合となるV1戦は、今秋に行われる予定で、対戦候補の1人として、かつて兄がターゲットにしていた元WBA世界スーパーフライ級王者のカリド・ヤファイ(33、英国)が浮上している。

 「まさか自分がもらえるとは」

 

 座間市役所の会議室は厳粛な雰囲気に包まれていた。WBAのベルトを持参した井上拓真は、スーツ姿で座間市の佐藤弥斗市長から市民栄誉賞の表彰状と座間市のマスコットである「ざまりん」を特別にトロフィーにした記念品を受け取った。同賞は兄の尚弥が9年前に受賞して以来2人目。佐藤市長は、4月8日に有明アリーナに直接足を運んで、世界奪取の瞬間を「長丁場だったのでヒヤヒヤしながら」見届けたという。
「夢と希望を市民に与えてくれた。4年前に世界戦で敗れてからも謙虚で努力を惜しまず諦めない姿勢は、市民やファンの知るところであり、世界ベルト奪取は、後進の模範となる快挙です。市民栄誉賞の規約では、世界的に活躍をされた方とあるので、兄の尚弥選手以来、ここまで表彰する方もいませんでした」
 佐藤市長が、そう激励すると、拓真も「まさか自分がもらえると思っていなかったので本当にうれしい」と恐縮していた。
 これといって市民栄誉賞に“特典“はないそうで、拓真が、「市役所に並ぶ順番が早くなったりしませんかねえ」とジョークを飛ばしたが、佐藤市長にあえなく却下された。
 かつて国民栄誉賞の受賞オファーを断ったことのある元阪急ブレーブスの福本豊氏は「そんな賞をもらったら立ちションもできなくなる」と、その理由を話したことがあるが、規模こそ違えど、栄誉賞と名のつく賞には、そういう責任感がついてくる。
「兄に続く2人目。必ず4団体のベルトをとらなきゃいけないと自覚しました」
 大目標とする4団体統一を再度口にした。
 兄は4つのベルトをまとめるのに4年8か月かかった。
「兄より早くいけたらいきたい」
 拓真は、兄超えを宣言した。
 その統一戦に向かう前にまずクリアしなければならないのが、秋頃に予定されているV1戦だ。ランキング1位との指名試合。この日、更新された最新のWBAランキングの1位は、空位のままだったが、最上位の2位にいるメルビン・ロペス(25、ニカラグア)が、兄が倒した元王者のエマヌエル・ロドリゲス(30、プエルトリコ)と、IBFの王座決定戦を行うことが決定し、すでに入札も済んでいるため、候補の1人として浮上しているのが、現在5位のヤファイだ。

 

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