
SNSで物議!「どっちが勝とうが負けようが正直まだ関係ない」那須川天心が「井上尚弥対中谷潤人」について多くを語らなかった真意…武居由樹とのビッグマッチにも言及
武居のその試合は配信でチェックした。
「感想としては、怪我からの復帰戦でもあり、相手的に凄い評価が上がる選手かといえばそうではなかったと思う。でもしっかりバチッと決めてくれるというか、チャンピオンで居続けているのはありがたいこと。強くなっているなと凄く思った」
それが素直な感想。天心は、15戦無敗だった対戦相手のユッタポンの実力に疑問符を投げかけた上で「強さ」を認めた。
武居はリング上から試合後に「もう1本ベルトが欲しい」とは言ったが、天心の名前を「まだチャンピオンじゃないので別にいいかな」との理由であえて出さず「まあ(世界王者獲りを)応援しています」と上から目線で突き放した。
ただ一夜明け会見では乱入したモンスターに「誰と戦いたいか?」と聞かれ「天心選手」と本音を明かした。天心はそれらのコメントもすべて見たという。
「言ったり、言わなかったり、凄く駆け引きをしてくるな。リング以外でもジャブを突かれているなと感じている」
笑いを取ってからこう続けた。
「僕は急いでいるわけではない。一個、一個、着実に次が(世界)前哨戦。長い目で見てもらいたい。勝っていくと必ずやる相手、時が来れば必ずやるだるうと、思っているだけ」
2人のビッグマッチは早くても来年。天心には今回の前哨戦、そして11月の世界戦という大勝負が待っている。8日のメインは、中谷とIBF世界同級王者の西田凌佑(28、六島)の統一戦だが、どちらが勝ってもWBC、IBF王座は返上すると見られており、WBC1位の天心がその王座決定戦に挑むと見込まれている。そして武居も、また9月14日に名古屋で同級1位のクリスチャン・メディナ(25、メキシコ)との指名試合をクリアしなければならない。
実はこのメディナは天心のスパーリングパートナーとして3度来日しているWBOラテン同級王者。その実力を肌で知る天心は、その指名試合を「どうなんでしょう。試合にならないとわからないが、ピスカ(メディナ)なら一筋縄ではいかないんじゃないか。相性的に武居選手の遠い距離がどれだけ通用するか」と予想した。
メディナはIBFの世界同級挑戦者決定戦で西田に判定負けをしている。だが、その後、3連勝。その間に天心のパートナーを務めた。
天心は一番最初の来日ではメキシカン独特の「ガンガン前にくるスタイル」と「僕が知らないボクシング」に苦戦して「病んだ」という。
「ピスカは戦友。毎日スパーをしてお互い強くなっている。僕がやってきた中で一番強いパートナー」
暗に天心は武居が負ける可能性を示唆した。
もし万が一9月に武居が負けるようなことになれば、天心が世界戦をする前に武居ー天心のビッグマッチの可能性は消滅することになりかねない。
だが、天心はその可能性を否定した。
「消えないと思う。どうなってもファンというか、お客さんが許してくれない。どっちが勝とうが、負けようが、これでやらないのは許してくれない。勝つのは民衆なんです。そういう声が聞こえるか聞こえないか。それが最終的にボクシング発展にもつながる。どういう形であれ、やると思います」
その意見を聞き、筆者はこう質問した。
「早くも井上―中谷戦が盛り上がっているが、あれを超える盛り上がりを2人で作りたいということ?それはまた違うのかな?」
天心はごまかすことなく本音で返した。
「そこは別に意識していない。そっちはそっちでやってくれって。どっちが勝とうが負けようが、正直、僕にはまだ関係がないこと。僕が口を挟むのは違う。自分がやるべきことをしっかりやる。とりあえず今はね。ベルトを獲ったりするとまた(意見を)言うこともある。(今)そういうのを言って数字をあまりとりたくない。井上選手、中谷選手の名前を出すと数字がとれる。そこじゃないからね。そこを価値観としてボクシングをやっていないからね。段階、段階を経て、今のオレを(ファンには)楽しんでもらいたい」