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スペインGP予選でレッドブルの角田裕毅がまさかの最下位(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
スペインGP予選でレッドブルの角田裕毅がまさかの最下位(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「これはレッドブルにとって大惨事だ」角田裕毅のスペインGPまさかの予選最下位を元F1ドライバーが酷評…本人は「ペースが地獄のように落ちた」と原因不明の失速に困惑し自信を失う

 F1の今季第9戦、スペインGPの公式予選が31日にバルセロナのカタルーニャ・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)がまさかの最下位の20番手で1回目(Q1)での敗退を喫した。エミリア・ロマーニャGP以来、2度目の屈辱の最後尾スタートとなった角田は「ラップのペースが突然、地獄のように落ちた」と落胆し、決勝での巻き返しにも「現実的には厳しい」と白旗を掲げた。元ルノーの元F1ドライバー、ジョリオン・パーマー氏(34、英国)は「これはレッドブルにとって大惨事だ」と酷評。3回目(Q3)で9番グリッドを獲得した姉妹チーム、レーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャー(20、フランス)との交代論が現実味を帯びてくることになる。

 「トップ10入りは現実的には厳しい」

 万策が尽き闘志も失われつつあるのか。
 マシンの操作ミスを含めたトラブルは何もなかった。しかし、Q1の結果はまさかの最下位20番手タイムでの敗退。英国のモータースポーツ専門メディア『CRASH.net』が伝えた角田のコメントには、いまにも折れそうな切実な気持ちが反映されていた。
「前回のモナコGPまでは、全体を通して順調に進んでいた。僕が(マシンに)マッチしたセッションもあったし、マックス(・フェルスタッペン)よりちょっとだけ速いセッションもあった。しかし、ここスペインでペースが突然、地獄のように落ちた。すべてのラップだけでなくロングランでも、何をしても何も変わらない。このマシンはひたすらタイヤを食い尽くし、デグラデーション(劣化)を引き起こし続けた。こういう状態になった明確な答えを、残念ながら僕は持ちあわせていない」
 初日のフリー走行2回目(FP2)でも、角田は無線を介して「このスライドは尋常じゃない。本当にクレイジーだ」とタイヤのグリップ不足を訴えていた。しかし、一夜明けた同3回目(FP3)でもタイヤから伝わる違和感は変わらなかった。
 不安を抱えたまま臨んだQ1。最初のアタックを終えた角田は、フロアのチェックを要求してピットインした。レッドブルはスペインGPから新たなフロントウイングを導入したが、第7戦のエミリア・ロマーニャGPで喫した大クラッシュの影響で、角田のマシンはフロア部分に旧型のパーツが使用されていた。
 これが原因でグリップが効かないのでは、と角田は考えたのだろう。しかし、チェックを繰り返しても理由が判明しない。18分間のQ1セッションが終了する直前に、最後のアタックを開始した角田のタイムは1分13秒385にとどまる。この時点で19番手での敗退が決まり、最終的には最下位の20番手へと順位を下げた。
 Q1のカットラインだった15位のハジャーには0秒246届かなかった。Q1を2位でクリアしたエースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)には0秒587と遠く及ばなかった。両者はQ3進出を果たし、ハジャーは9番手、フェルスタッペンはマクラーレン勢に続く3番手で今日1日の決勝へ臨むことになった。

 

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