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カナダGPで18番手スタートとなったレッドブル角田裕毅は12番手まで挽回したが入賞ならず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
カナダGPで18番手スタートとなったレッドブル角田裕毅は12番手まで挽回したが入賞ならず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「ほとんど何もできなかった」レッドブル角田裕毅は18番手から12番手に順位上げるも”1ストップ作戦”不発でカナダGPでも入賞逃す

 実際に角田が望んでいたセーフティカーが出動した。
 67周目でオスカー・ピアストリ(24、豪州)とランド・ノリス(25、英国)のマクラーレン勢がメインストレートで接触。障壁に接触してマシンを破損させたノリスがリタイアし、セーフティカーに先導されたまま残り3周を周回。順位を変動させるチャンスが訪れないまま、決勝の70周を終えた。
 ただセーフティカー出動中に相次いで問題が起こった。
 今季初優勝したメルセデスのジョージ・ラッセル(27、英国)を祝福しようと、3位で初めて表彰台に立った同僚のキミ・アントネッリ(18、イタリア)が、前を走るマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)をオーバーテイクしてしまったのだ。
 セーフティカーが宣言されている状況では、他車をオーバーテイクできない。アントネッリをはじめ、ピットレーンで「予測不能なドライビング」があったとされるオコン、さらにサインツら7人ものドライバーが、スチュワード(審議委員)の審議対象となってレース後に召喚される大騒動に発展した。
 こうした状況をチーム側から無線で伝え聞いた角田は、こんな言葉を返している。
「昨日僕がペナルティを受けたように、彼ら全員もペナルティを受けるべきだよ。そうすると僕は5位になるかもしれないね」
 赤旗掲示中にクラッシュしたピアストリのマシンを追い抜いた前日のFP3で、自身が科された10グリッド降格を引き合いに出したジョークとも受け取れる言葉。そこにはレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)から「できるだけ多くのポイントを稼げ」と厳命されながら、3戦連続でポイントを獲得できなかった自身への不甲斐なさも込められていたのかもしれない。
 いずれにしても、角田はまたもや爪痕を残せなかった。今季限りでの解雇報道も飛び交うなかで、さらに追いつめられた角田の次戦は、27日開幕のオーストリアGP。チームの母国であり、角田自身も「大好き」と公言するレッドブル・リンクで巻き返しを狙う。

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