
「大きなプレッシャーを感じている」強気が売りのレッドブル角田裕毅が不振から脱出できずについに弱気発言?!今季限り解雇や途中降格の報道が渦巻く中で…
不振が続くレッドブルの角田裕毅(25)が、3戦連続で入賞とポイント獲得を逃している厳しい現状に対して「大きなプレッシャーを感じている」と“弱気発言”をした。英国のモータースポーツ専門メディア『CRASH.net』が19日に報じたもの。強気な姿勢を貫いてきた角田がプレッシャーの存在を認めたのは初めて。今季限りでの解雇や、途中降格の可能性を報じられる中でメンタル面でも追いつめられ始めた角田は、27日に開幕の次戦のオーストリアGPで巻き返しを図れるのか。
「自分を向上させて自分を証明するチャンスの一部」
プレッシャーの存在を角田が初めて認めた。
フリー走行3回目(FP3)で赤旗掲示中に他車を追い抜いたとして決勝での10グリッド降格のペナルティを科された前戦カナダGP。最後尾の18番グリッドから必死に追い上げて12位に食い込むも、チームが求める結果を残せなかった角田のコメントを英国のモータースポーツ専門メディア『CRASH.net』が伝えた。
「僕たちのチームはできるだけ上位にいたいと思っているし、僕もこの挑戦を楽しんでいる。こういう瞬間はプレッシャーがたくさんあり、時には楽しめないこともあるけど、それでも自分を向上させて自分を証明するチャンスの一部だと思っている」
前向きな姿勢を失ってはいないが、海外メディアからは、それは弱気な発言に映ったようだ。
角田は苦戦している。レッドブルに昇格後、ここまで最高位はバーレーンGPでの9位。獲得ポイントは「7」のままだ。
舞台をヨーロッパに移した第7戦のエミリア・ロマーニャGPでは、公式予選1回目(Q1)では大クラッシュを喫しながらも10位に入賞した。しかし、モナコGPは完走した18台中で17位。スペインGPではピットレーンスタートから13位でチェッカーを受けるのが精いっぱいだった。
前戦のカナダGPでも公式予選2回目(Q2)で敗退し、さらに10グリッド降格の厳罰が科された。直近の4戦で一度も公式予選3回目(Q3)に進めていない。
角田が感じるプレッシャーのひとつにレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)が、カナダGPを前に発した「できるだけ多くのポイントを稼げ」との厳命がある。
角田は期待に応えることができていないが、向上心を失ってはいない。
「少なくともポジティブなのは、いまのマシンのパフォーマンス。マシンのペースは、それまでのレースよりも少しよくなっているように感じられた。なので僕自身は少なくともそこにモチベーションを感じている。それだけに、10グリッド降格というナンセンスなペナルティを科された土曜日はタフな一日だった」
角田がカナダGPのFP3で科されたペナルティに対してはレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表(51)が、スチュワード(審議委員会)の裁定に異議を唱えている。オランダのモータースポーツ専門メディア『RacingNews365』が伝えた。
「彼ら(スチュワード)には一貫性を期待したい。ユウキのオーバーテイクが咎められた翌日の決勝で、マーシャルがコース上にいる状況で数台のマシンが前走車をオーバーテイクした。しかし、何のお咎めもなく終わったからだ」
決勝の終盤にセーフティカーが出動し、そのままチェッカーフラッグを受けた状況で、7人ものドライバーがオーバーテイク違反を問われた。赤旗とセーフティカーとの違いはあるものの、ともにオーバーテイクは禁止されている。しかし、スチュワードは7人に警告を与えただけで、角田と同じようなペナルティは科さなかった。