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角田裕毅が英国GPでの不振脱却を誓う(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅が英国GPでの不振脱却を誓う(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「角田裕毅へのプレッシャーが高まる中でリンドブラッドが襲撃を仕掛ける準備を整えた」角田が英国GPで不振脱却誓うも17歳“神童”のフリー走行1回目の出場が正式決定

 今季限りで解雇の可能性が複数のメディアに報じられ、英国GP後の途中解雇の噂さえ流れる中、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)が、「今交代させてもまったく意味がない」と、途中解雇の可能性がないことを明言した。だが、レギュレーションに沿ったFP1への抜擢とはいえ、リンドブラッドの“レッドブルデビュー”は角田への大きなプレッシャーとなる。
 扱いにくいとされる今季のレッドブルのマシン、RB21への適応に依然として苦しんでいる角田にとっては、貴重なマシンへの適応時間を奪われた形にもなる。
 追い詰められた角田の現状を示すエピソードも明らかになった。最下位の終わったオーストリアGP決勝。70周目を終えた直後に、角田は無線で力のない声を発していた。
「申し訳ない……」
 エンジニアのリチャード・ウッド氏は、角田をねぎらうようにこう返した。
「今日のレースを覚えておく必要はないよ」
 ピットレーンに戻った角田は約40秒間、マシンのコックピットから動けなかった。これが角田の盟友で、昨季第18戦のシンガポールGPで18位に終わったRB(現レーシングブルズ)のダニエル・リカルド(36、豪州)の姿を彷彿とさせると、オランダのF1専門メディア『RacingNews365』が、こう報じた。
「角田がオーストリアGPのパルクフェルメ(車両保管所)で見せた姿は、まるで昨年9月のシンガポールGPにおけるダニエル・リカルドのカーボンコピーのようだった。そこには角田がレッドブル昇格後の9戦で味わってきた苦悩と、レッドブルのセカンドドライバーが長年にわたって突きつけられてきた課題が凝縮されていた」
 8回のGP優勝経験があるリカルドは、昨季は一転して入賞がわずか3回、最高位がカナダGPの8位と苦しんでいた。更迭論がメディアで飛び交っていた状況で臨んだシンガポールGPの直後にシーズン途中での解雇を言い渡されている。今季における角田の入賞も3回で、確かに状況は似通っている。
 しかし角田は英国GPからの巻き返しに気力を失っていない。前出の『GP BLOG』によると、角田は「オーストリアGPは、僕たちにとって厳しい週末となった。自分自身に高い期待を抱いて臨んだが、残念ながら望んだ通りの結果は得られなかった。マシンへの手応えは徐々に深まっているが、ロングランではまだまだペースを引き出せない。こうしたフラストレーションを受け入れて、前へ進んでいかなければいけない」と前向きにコメントしている。
 さらにこう続けた。
「チームと僕は、週末を通じて一貫性を得る方法を模索するために協力し合っている。ポジティブな点は、予選でいいラップタイムを出すポテンシャルがあると感じられる点だ。そのために今、セッティングを正しく調整している。今週はチーム全員のために正しい結果を出したいし、自分の能力を示したい」
 注目の英国GPのFP1は、日本時間4日20時30分にスタート。5日にFP2、FP3、公式予選が行われ、決勝は6日の23時からとなる。

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