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阪神前監督の岡田顧問がTV解説で指摘した巨人阿部監督の犯したミスとは?(資料写真・黒田史夫)
阪神前監督の岡田顧問がTV解説で指摘した巨人阿部監督の犯したミスとは?(資料写真・黒田史夫)

「何をしてんのかなあ」阪神の岡田顧問がTV解説で指摘した“神の手スラ”への抗議で退場処分となった巨人の阿部監督が犯したミスと「場内への説明がいる」審判団への提言

 巨人が2日、甲子園での阪神戦に0-1で敗れて連敗、勝率が5割に戻り、首位阪神とのゲーム差が5.5に広がった。勝負を決めたのは8回二死一、二塁から大山悠輔(30)の内野安打でホームを狙い甲斐拓也(32)のタッチをかいくぐった森下翔太(24)の“神の手”スライディング。リクエストでアウトからセーフに判定が覆り、抗議した阿部慎之助監督(46)が退場処分となった。中継したBS朝日でゲスト解説を務めた前阪神監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)は、阿部監督の犯したミスを鋭く指摘し、場内への説明がなかった審判団に「ただのアウト、セーブの問題じゃない。マイクで説明したらええ」と提言した。

 なぜ8回に大勢を投入しなかったのか?

 伝統の一戦に決着をつけたのはあのイチローを彷彿させる“忍者スライディング”だった。
 0-0で迎えた8回二死一、二塁。打席に大山を迎えて、阿部監督は左腕の中川から“必殺シュート”を操る田中瑛をマウンドに送った。田中は初球からそのシュートを投じたが逆球になって高めに浮いた。大山が捉えた強い打球はショートの正面。泉口が捕球体勢に入った次の瞬間、打球がイレギュラーして左肩に当たり三遊間の方向へ大きく跳ねた。三塁の田中コーチが右腕をグルグル回して二塁走者の森下がホームへ突入。カバーした吉川がバックホームした送球はやや一塁側にそれたが甲斐はワンバウンドでそれを捕球して体を投げだすようにタッチを試みた。
 タイミングは完全にアウト。しかし、森下は、甲斐のタッチを避けるように左手を伸ばして回り込んだ。そこではベースに触れることができず通り過ぎた。甲斐のタッチも間に合わない。だが、四つん這いになって、もう一度、ホームを狙った森下は、甲斐の追いタッチを体をひねって交わして右手をベースに伸ばした。球審の判定はアウトだったが、藤川監督のリクエストによりセーフに覆った。その瞬間、甲子園のファンの喜びが爆発した。 
 最初の判定を聞いた瞬間はあきらめたような表情を浮かべていた森下は、「必死に走っていただけなんですが、ちょっと甲斐さんが逆にそれていたので、それも見えたので何とかかいくぐって1点を取ることができました」と、雄叫びをあげた。
 リプレー検証の結果に納得のいかない阿部監督は、投手交代を告げるため球審に近づくと「判定が覆った根拠を聞きたい」と抗議した。リクエストの結果に対する抗議は認められていない。 
 公認規則8.02による「打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいは走者がアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるから、プレーヤー、監督、コーチまたは控えのプレーヤーが、その裁定に対して、異議を唱えることは許されない」に沿っての退場処分となる。阿部監督は、抗議イコール退場処分となることを理解した上で、あえてその行動を起こして責任審判の吉本審判員が退場を宣告した。
 巨人では1974年に川上哲治氏が退場処分になって以来、51年ぶり2人目の退場劇。
 場内アナウンスでは、阿部監督の退場と二岡ヘッド兼打撃チーフコーチが監督代行を務めることが伝えられたが、途中、何度か音声が途切れ、甲子園が騒然となった。
 BS朝日でゲスト解説を務めた岡田顧問は、冷静さを失った阿部監督の行動に対して厳しい指摘をした。
「まだ(審判が糸原の)コールをしていない。何をしてんのかな。出ていったらいかんわ。糸原が(代打とアナウンスが)言うてないのに、左(バルドナード)に代えている。これはいかん。豊田のまま。これは恥ずかしいね」

 

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