
「桐敷の連投に疑問。これからは負け方が重要になる」阪神がエース村上2回6失点で最下位ヤクルトに敗れ連勝は11でストップ…“セ界”貯金独占が続くも藤川監督の采配に疑問残る
いきなり6点のハンデを背負ったが、ここまで7連敗と勝ち星から見放されているヤクルトのランバートは安定していなかった。
4回には森下、佐藤、大山の3連打で1点を返し、さらに豊田が四球でつなぎ無死満塁としてから小幡のレフト前タイムリーで2点目を奪った。無死満塁が続き、逆襲ムードを高めたが、坂本、代打ヘルナンデスが凡退。広島3連戦で8安打と爆発していた近本もボールゾーンのチェンジアップに手を出して三振。5回にも中野、森下、佐藤が三者連続四球で歩き、再び無死満塁としたが、大山の犠牲フライによる1点だけに留まり、逆転のビッグイニングを作ることができなかった。
ただ敗戦の中にも収穫があった。村上の後を受けた門別、木下、岩貞がそれぞれ2イニングずつを無失点リレー。9回には前日の広島戦で救援に失敗した桐敷が登板して二死から連打を浴びながらも岩田を148キロのインハイのストレートで三塁ゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。
前出の評論家は「ビハインドのゲームの中で、勝ちパターンの次の位置づけにいる中継ぎ陣の力量を把握できたのは収穫だったと思う。ただ、桐敷の登板には疑問符がつく。調子を落としている桐敷に必要なのは自信ではなく休養。ここで連投させる意味がわからない」と、藤川監督が、負けゲームで桐敷に31試合目の登板を命じた采配に疑問を投げかけた。
ブルペンに残っていたのは石井、湯浅、及川、ネルソンの4人。ここは広島3連戦では初戦に投げただけのネルソンで良かっただろう。
同評論家はこう提言した。
「独走態勢に入っている阪神が今後首位をキープするために重要なのは負け方だと思う。いかに負けゲームの中で、先につながるものを残していくか。出番の少ない選手に経験を積ませたり、逆に疲労のたまっている選手を休ませたり、そういうコンディション調整にも負けゲームを使っていかなくてはならない」
2位の巨人が延長戦の末、横浜DeNAに逆転勝利をおさめたが、ゲーム差は8.5。まだセ・リーグの貯金独占状態は続いている。この今現在の余裕をいかに勝負の9月につなげていくかが重要かもしれない。
だが、藤川監督もそれは理解しているのだろう。スポーツ各紙の報道によると、連勝ストップを受けて、「それより今からやることがある。投手が2イニングとか、複数イニングを投げているので、勝ち負けよりも、もっと他に考えることがある」とコメントしている。