
「いい修行をさせてもらっている」それほど阪神の監督にかかるプレッシャーは特別なものなのか…首位独走の藤川監督が球宴で“旧友”松坂氏に明かした苦しい胸中
セ・リーグの貯金を独占して首位を独走している阪神の藤川球児監督(46)が23日、コーチとしてベンチ入りしているオールスターゲームの第1戦(京セラドーム大阪)のテレビ朝日系列の中継途中に解説席に呼ばれ「いい修行をさせてもらっている」と本音を明かした。最多9人が球宴出場しているチームの好調理由を1番から5番の打線固定、村上頌樹(27)、才木浩人(26)の両エースの活躍と充実のブルペンにあるとも説明した。藤川監督は監督就任1年目の苦悩を乗り越えて2年ぶりのリーグ優勝へ向かう。なお試合は全パが5-1で全セに勝利した。
「我慢が必要なシーズン」
シーズン中の藤川監督とは違う、どこかリラックスした素の一面をのぞかせた。オールスターのお祭りムードに同年代の松坂大輔氏がそこにいたことも手伝ったのだろうか。全セのコーチとしてベンチ入りした藤川監督は、6回裏の全パの攻撃の際に放送席に呼ばれた。松坂世代の藤川監督は、「去年のこの時期、2人でゴルフにいったりしていました」と“旧友”松坂氏との交友を明かした。
解説の古田敦也氏から首位を独走しているチーム状況を称えられると、「ギリギリのゲームばかりなんですけど、両チームとも我慢しながら、最後にどっちに転ぶかというところをにらんでいくという我慢が必要なシーズンかなと思っています」と、決して楽にこの位置にいないことを説明した。
続けてチームの好調理由をこう明かした。
「1番から5番までの選手たちがずっといてくれる。今日もオールスターに出ていますが、このあたりが大きいですね、投手も村上と才木が、カード頭にいてくれる状況がいいことだなと」
開幕当初は、3番佐藤、4番森下でスタートしたが、4月15日のヤクルト戦から3番森下、4番佐藤に入れ替えると機能し始めた。以降、1番近本、2番中野、3番森下、4番佐藤、5番大山までが固定。近本が109本で安打数トップ、打率.2921の中野がランキング4位、佐藤が25本塁打、64打点で両部門でトップ、森下が60で佐藤を追い、大山が四球数でトップと、それぞれが結果を残している。
また村上が金曜日、才木が火曜日のカード初戦の先発を任され、村上が防御率2.10、8勝3敗、才木が防御率1.66、7勝5敗の数字を残している。彼らがカードの初戦でゲームを作ることで、3連戦、あるいは6連戦のプランが立てやすい。
また「いろんな選手を相手にぶつけて」構築を図っているブルペン陣のチーム防御率が1点台。勝利パターンを担う石井、及川の2人が、今回、球宴に初選出された。藤川監督は「いてくれる」という表現をした。これは、藤川監督が、これらの主軸が故障などで戦列を離れることなくコンディションを維持することにいかに焦点を当てているかを示す言葉だろう。