• HOME
  • 記事
  • モータースポーツ
  • 「何だよ。遅すぎるじゃないか!」角田裕毅がレッドブル陣営のピットイン指示遅れのミスで入賞を逃して13位…メキース新代表は「裕毅には申し訳なかった」と異例の謝罪
7番手でスタートした角田裕毅だがピットインの指示遅れのミスで13位でフィニッシュ。メキース代表(右)はレース後に角田に謝罪した(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
7番手でスタートした角田裕毅だがピットインの指示遅れのミスで13位でフィニッシュ。メキース代表(右)はレース後に角田に謝罪した(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「何だよ。遅すぎるじゃないか!」角田裕毅がレッドブル陣営のピットイン指示遅れのミスで入賞を逃して13位…メキース新代表は「裕毅には申し訳なかった」と異例の謝罪

 直線でのスピードが伸びなかったのもレッドブルの選択ミスだった。英国のF1専門メディア『GP BLOG』が、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)のコメントをこう伝えている。
「雨の影響を受けるレースを想定してマシンのセッティングを前日から変えていた。セッティングの影響で、前走車のペースにまったくついていけなかった」
 ダウンフォースを高目に設定したため、直線でのスピードの伸びを欠いた。4番手でスタートしたフェルスタッペンも、3番手のフェラーリのシャルル・ルクレール(27、モナコ)を一度もオーバーテイクできないまま表彰台を逃した。
 角田の場合はセッティングの選択に加えて、フェルスタッペンを優先させた末に起こった、ピットインを巡る戦略ミスも重なった。こうした状況を受けて、7月上旬に電撃解任されたクリスチャン・ホーナー前代表(51、英国)に代わって新代表に就任し、今回のベルギーGPが初めて臨むレースとなるメキース氏がすぐに動いた。
 英国のモータースポーツ専門メディア『RACEFANS.NET』は、「決勝後にメキースが角田に謝罪した」とする記事で同代表のコメントを伝えている。
「今日は裕毅にピットコールをするのが遅すぎたため、獲得できたはずのポイントが失われてしまった。それまでいいレースをしていた裕毅には、本当に申し訳なかったと思っている。メカニックたちは(タイヤ交換の)準備ができていたので、次に同じ事態が起こったときには、必ずうまくやってくれると信じている」
 角田のマシンにはメキース新代表の決断のもと、26日の公式予選直前にアップグレードが投入された。フェルスタッペンのマシンにほぼ近いフロアが装着されただけでなく、セッティングにも可能な限り修正が施された。
 結果は5月のマイアミGP以来、7戦ぶりとなる公式予選3回目(Q3)への進出。さらにレッドブル移籍後で最高位となる決勝での7番グリッド獲得と、11位で終わっていた直前のスプリント決勝とは見違える姿を見せた。角田自身も公式予選後に「マシンに本当に大きな違いを感じた」と手応えをつかんでいた。
 決勝では期待に見合う結果を残せなかった。それでも、ぶっつけ本番にもかかわらず、未知数のマシンに急速に適応する角田を、メキース新代表は高く評価している。
「裕毅は昨日の予選で、非常に素晴らしい走りを見せてくれた。予選直前にアップグレードされたマシンに、すぐに適応するのは本当に難しい。それでも力強い仕事をしてくれた裕毅をうれしく思うし、今日の決勝でも序盤は適切なペースを維持し、ポイント獲得を狙う準備ができていた。今週末をもって裕毅は素晴らしい一歩を踏み出した。これを次のブダペストでも続けてくれると願っている」
 同メディアは13位に終わった角田を「他のドライバーたちがいち早くドライタイヤへ交換したなかで、角田が犠牲になった」と総括した。アップグレードされさらに新しい部品も投入される予定の角田の真価は、サマーブレイク前では最後の一戦となる8月1日開幕の次戦ハンガリーGPで問われることになる。

関連記事一覧